第六百四十話 最低な奴だからその六
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「あいつは極端にだ」
「性格が悪いか」
「だから言う、あいつは碌な奴にならないしだ」
「付き合うと駄目か」
「そして付き合うとな」
「とんでもないことになるか」
「絶対に信用出来ない」
タムタムは言い切った。
「まさにな」
「信じたら後ろからか」
「平気で裏切ってくる」
「いざという時にか」
「本当に酷い奴だからな」
だからだというのだ。
「もう皆そのことを知っていてな」
「付き合わないか」
「全く無視してな」
「嫌な目を向けてか」
「付き合おうとしない」
「お前がそこまで言うのも珍しいな」
フランツは今このことを思った。
「悪口にしか思えないが」
「しかし悪口ではない」
これがというのだ。
「本当のことだ」
「それならあいつを知っている奴にか」
「実際に聞いてみるか」
「そうしようか」
こうタムタムに話した。
「ここは」
「そうするといい」
「それならな」
フランツも頷いた、そうしてだった。
実際にたまたま傍にいた二年生の生徒に彼のことを聞くとだった、その二年生フランツ達の同級生は彼を嫌悪に満ちた目で見て言った。
「あいつ?最低だよ」
「そうなんだな」
「最低最悪な奴だ」
「そんなに性格が悪いか」
「あんな性格の悪い奴いるか」
それこそというのだ。
「俺がこれまで見た中で一番性格の悪い奴だ」
「あんたもそう言うんだな」
「見ているだけで腹が立つ」
彼を嫌悪の目で見つつ言い切った。
「本当にな」
「そこまで嫌いか」
「昔同じクラスで散々嫌がらせをされた」
「だからか」
「中学の時だったがな」
「中学の時から性格が悪かったんだな」
「いや、小学生の時からだ」
その時からだというのだ。
「つまりガキの頃からだ」
「性格が悪かったか」
「それでどんどん性格が悪くなってな」
そうしてというのだ。
「今はな」
「最低最悪か」
「中学の時はもうそれで有名だった」
「性格の悪さでか」
「都合がいい時はへらへらして近寄ってきてな」
「都合が悪いとか」
「平気で切り捨てて後でよくなったら擦り寄ってくる」
そうした行動を繰り返しているというのだ。
「そんな奴で散々やられたからな」
「大嫌いなんだな」
「あんな奴は死ねばいいんだ」
こうまで言った。
「本当にな」
「あんたがあいつを嫌いなのがよくわかった」
「それは何よりだ」
「心からな」
「本当によくわかった」
彼の返事を聞いてあらためて言った。
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