第二章
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「飲みものって」
「そうなのよね」
「自動販売機もコンビニも便利だけれど」
それでもというのだ。
「高いのがね」
「問題よね」
有紗も言った。
「そこが」
「スーパーじゃ百円以下なのに」
「コンビニとかだと普通に百円オーバーだから」
「ペットボトルなんか」
こちらの飲みものはというと。
「スーパーで百円で」
「自動販売機とかだと百五十円」
「百六十円だったりもするわね」
「そう思うと」
「本当に高いわね」
「五十円六十円が」
この違いがというのだ。
「ネックよね」
「便利さか安さか」
「コンビニはいつもやっていてスーパーより便利だけれど」
夜になると閉店する、だがコンビニエンスストアは二十四時間営業でありこの違いは実に大きいのだ。
「自動販売機もいつも買えるし」
「便利だけれど」
「高いのがね」
「本当に便利と安さって問題よね」
「そうよね」
二人でこんな話をしつつだった。
缶を開けて飲みはじめた、そして飲み終えると。
有紗は難しい顔になって春海に言った。
「熱いもの飲んだのに」
「うん、あったかくなってないわね」
「ちょっとは温まる筈なのに」
熱いものを飲んだからだというのだ。
「その筈なのにね」
「これちょっとおかしいわね」
春海もどうかという顔で言った。
「そうよね」
「これはどういうことかしら」
「わからないわよね」
「ええ、そんなに寒いってことかしら」
「そうかもね」
「大阪でもこんなに寒くなるのね」
「冬でも暖かい筈なのに」
それがとだ、二人で話してだった。
飲み終えた缶を空き缶を捨てるゴミ箱に捨てて帰ろうとした、だがここでだった。
二人の傍に何かが出た、それは。
昔の白い着物死人が着るそれを着て足の先が見えない女だった、黒く長い髪で顔はわりかし整っている。
外見はそうしたものだ、だが身体全体が細かく震えている。有紗はその女を見て即座にこう言った。
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