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おっちょこちょいのかよちゃん
179 太陽の子の報復
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項羽(こうう)。そしてこちらは妻の虞だ。この鎌山健次郎と立家隆太と共に行動し、協力していた者。先程お主が気絶してもすぐに起き上がれたのは虞の花の能力(ちから)によるものだ」
「そうだったの。ありがとう。もし助けがなかったら、きっと私死んでたわ」
「いえ、(わたくし)はできる限りの事をしたまでです・・・」 
「援軍が来てくれたなら大丈夫だね。それでは私は本部に戻らせて貰うよ」
 イマヌエルはその場から飛び去って行った。
「では私も失礼しよう。エルデナンドを取り逃がした事は悔しいが、ピサロへの前世の報復は無事果たしたのだから。煮雪悠一と言ったな。また何かあったらその道具で私を呼ぶといい。また一緒に戦える時を楽しみにしよう」
「はい」
「そして杯の持ち主よ」
「えっ?」
「その杯は今でも十分強力な武器のようだが、何れはさらに強力になれる。戦いと共に極めるのだぞ」
「はいっ、頑張りますっ!」
「それでは」
 アタワルパが光に包まれる。そして消えた。
「それじゃ、先進みましょ」
 ありが促した。
「はいっ!」
 皆は冬田の羽根に乗る。
(杉山君・・・。絶対に取り返すからねっ!私はあんたがいてくれないとっ・・・!!)
 りえにはある思いがあった。

 かよ子は疲労で眠っていた。そしてまた夢を見た。暗闇の空間である。自分以外には誰の姿も見えなかった。
(何だろ・・・?)
 そしてレーニンと思わしき声が聞こえる。
[貴様らにあの少年を救う事は叶わぬ。会えたとしても絶対に戻るのを拒まれるだろう・・・]
(あの少年・・・?拒まれる・・・?)
 かよ子には「少年」と聞いてもしかしてと思った。
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