廊下での邂逅
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かな、なんて思ってたら急に服を引っ張られて転びそうになる。
「……サスケ」
犯人は勿論サスケ。
何故か私の服を掴んで歩き出してる。
「俺も行く」
「……ん?」
俺も行くって…。
「俺も、その知り合いに会いに行く」
「……」
今現在だけど、ネジと気が合うとは思わないんだけどなぁ。
だけどサスケは会いに行く気満々らしく、無言の私を引きずるようにドンドンと歩いていく。どうやら本当に引く気はないらしい。
誰か助けてくれないかなって教室を見てみたけど、いつの間にか顔を上げたシカマルに追い払うように右手を振られた。「気をつけて行けよー」というやる気のない声と共に。
まったく助ける気がないのか、眠たそうに欠伸を噛み殺しながら再び机に突っ伏す。それと同時に聞こえる寝息。
今回は本当に眠るつもりなのか、不自然じゃない寝息が辺りに響いた。
ひょっとしたら、話し声が煩くて眠れなかったのかもしれないなぁ。まぁ、シカマルがサスケに言ってくれたとしても、サスケは引かないとは思うんだけど。
ズルズルと引きずられながら歩いていたんだけど、いつも以上に注目を集めている事に気づいて慌ててサスケの手首を掴んだ。
「歩く」
私に掴まれた手首を掴みながらサスケが目を見開く。
痛くはないだろうけど突然掴まれて驚いたのか、サスケの足が完全に止まって私を見てきた。
歩くだけじゃ言葉が足りなかったかな。
「重たいだろ」
それに恥ずかしいしね。
「そうか?」
「……」
なのに、サスケにとってみたら私ぐらい引きずるのは簡単なのか、本当に不思議そうに首を傾げられた。
「あぁ。取り合えず…」
ネジのいる場所に向かおう。
そう思ってたら、後ろから聞き馴染みの声が響いた。
「何をやってるんだ?」
「「………」」
ネジの声。
聞き間違えるわけがないから、間違いなくネジの声なんだけど、何処か呆れたような視線を向けられる。私が思っていたよりも目立ったらしい。
「…ネジも珍しいな」
この流れでネジに会いに行こうとしてたなんて言いにくくて、つい誤魔化すような言葉をネジに向けてしまう。
けど、ネジがここにいるのは珍しいというか、ここで会うのは初めてだよね。教室からさほど離れていない廊下だし。
「……」
途端に無言になるネジ。
ちなみに、一言も言葉を発しないサスケは人見知りを発揮してか、ネジを睨み付けてたりしてる。
相変わらず初対面の人は睨むんだね。睨んでるんだけど、柄の悪いサスケの視線を見事にスルー出来るネジも凄いっていうか…。スルーされてる事に気づきながら尚更眉間の皺を濃くするサスケも懲りないっていうか。
この空気を打破するのは私なのかな。嫌
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