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イベリス
第三十話 ゴールデンウィークが終わってその十

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「どういったものか、どうすれば至るか」
「そのこと自体はですか」
「わかりやすいです、事実仏教でもです」
 その教えでもというのだ。
「わかりやすいのです、難しいのは何か」
「至ることですか」
「そうです、それが難しいだけで」
「説明すると簡単なんですね」
「そうしたものです、聖書もコーランも」
 キリスト教やイスラム教もというのだ。
「やはりです」
「わかりやすいんですね」
「コーランは特にです」
「わかりやすいですか」
「イスラム教の教えを一途に信じる」
 それがというのだ。
「それが真理なのです」
「イスラム教の」
「そしてイスラム教を信じないなら」
「その場合は地獄に落ちますか」
「そうなるとです」
 その様にというのだ。
「イスラム教では教えています、そして」
「イスラム教を信じたら天国に行けるんですね」
「一途に真面目に」
「それだけなんですね」
「そしてその行うことははっきりと書かれています」
 コーランにだ。
「具体的に」
「偶像崇拝とか駄目ですね」
「殺人等も、そしてメッカへの巡礼や礼拝、喜捨等を行えば」
「それで、ですか」
「天国に行けます」
「イスラム教って天国に行きやすい宗教ですか」
「実はかなり」
 それはというのだ。
「あの宗教は」
「厳しいイメージありますけれど」
「いえ、これがかなり寛容で」
 速水は咲にこのことを断った。
「明るくわかりやすい」
「そうした宗教ですか」
「だからこそです」
 それ故にというのだ。
「一気に広まり定着しているのです」
「わかりやすいからですか」
「何百何千の哲学者や思想家が言葉遊びで出した文章よりもです」
「コーランの方がですか」
「素晴らしいと私は考えています」
 こう言うのだった。
「真理をわかりやすく述べてくれているので」
「店長さんムスリムでなくても」
「そう考えています」
「そうなんですね」
「コーランは日本語訳を読みました」 
 それで知ったというのだ。
「そこから申し上げますが」
「そうですか」
「そしてコーランを読んでもわかりました」
「真理はわかりやすいですか」
「読みやすくもあります」
 そうしたものだというのだ。
「無理に学識や教養を見せたいのか小難しい言葉を使っても」
「中身がないんですね」
「そしてそれを読んで考えて理解して自分は頭がいい偉いと思うことは」
 このことはというと。
「錯覚に過ぎません」
「そんなもので」
「何でもです」
「ないんですね」
「そうなのです」
「ううん、真理はわかりやすい」
 咲は考えつつ述べた。
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