第三十話 ゴールデンウィークが終わってその八
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「駄目です、戦後日本の哲学者や思想家は難しい言葉を知性と勘違いしたのか」
「そのせいで、ですか」
「まやかしの様になって」
「中身がなくて」
「そして知性はです」
それはというのだ。
「子供の方がある位でした」
「子供以下ですか?」
「カルト教団の胡散臭い教祖を偉大な宗教家と言うなぞ」
このことはだ、速水は見えている左目を曇らせて語った。
「論外です、裸の王様ですが」
「子供が王様は裸だって言ってますね」
「そもそも王様が裸だとわからない」
「見てわかりません?」
「わからないまでにです」
そこまでというのだ。
「今の日本の哲学者や思想家は酷いのです」
「だから子供以下ですか」
「まだ王様や大臣の方がましでしょう」
見えている振りをしていた彼等の方がというのだ。
「あの童話の中で言うなら」
「見えていないのに見えていると言った」
「確かにどうかとなりますが」
それでもというのだ。
「しかしです」
「そんな人と比べても」
「はい」
本当にというのだ。
「今の日本の哲学者や思想家はです」
「そうした人達はですね」
「論外です、あまりにもです」
速水はその整った片目を曇らせて言った、左目は相変わらず前髪に隠れてそれで咲からは見えなくなっている。
「愚かです」
「馬鹿だっていうんですか」
「そうも言いますね」
速水も否定しなかった。
「テロを起こし教祖だけが肥え太り出鱈目であちこちの宗教の教えをつなぎ合わせただけの教義を掲げている宗教の教祖をそう言うなぞ」
「馬鹿ですか」
「子供でもわかることがわからない」
極めて否定的に述べた。
「そうしたことではです」
「哲学者や思想家でもです」
「そうですか」
「はい、馬鹿で」
それでというのだ。
「どうしようもありません」
「そうなんですね」
「哲学者や思想家なら」
そうした仕事にあったりそう呼ばれているならというのだ。
「真っ先にそこを見抜くべきなのに」
「見抜けないからですか」
「しかも逆に偉大なぞ言うと」
それこそというのだ。
「愚かとしかです」
「店長さんは言うしかないですか」
「まことに。それでは王様や大臣の方が」
馬鹿には見えないという服を見せられ見えると言った者達の方がというのだ。
「ましです、何故なら見えないどころかです」
「そうした宗教はですか」
「おかしいですし教祖なぞ」
そうした宗教のというのだ。
「一目で、です」
「インチキとかですか」
「わかるものなので」
それでというのだ。
「見えない服を見える」
「そうした人達ですか」
「はい」
まさにというのだ。
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