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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
閑話『脅威-あらたなてき-』
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そんな時だ。
緊迫した空気の中、いかにもなタイミングでとある男が割って入ってきた。

「おまん…誰じゃ?」
「口を慎めよ田舎侍ごときが。私こそあなたがた産廃に代わる代表お抱えの傭兵。置鮎 啓(おきあゆ けい)だ。」
「い、田舎じゃと…っ!!」

汚れのない真っ白な純白のスーツに身を包み、髪をオールバックにした男はそう言って以蔵達を見下した。

彼は本人の言った通り、新しく雇われた傭兵である。
無論、依頼の成功率は100パーセント。財団に雇われる以前に、傭兵業を始めて失敗したことなど1度もない。

「おまん…さっきわしだけでなくマスターも馬鹿にしたか?」
「ああ、言いましたね…"あなたがた産廃"と。貴方もそのマスターも、使えない時点で皆"産廃"です。それが何か?」
「…!!!」

もう我慢ができなかった。
以蔵は刀を抜き、マスターの静止も振り切ってその男に斬り掛かる。
しかし、

「な…!」

その刃が、純白のスーツを赤く汚すことは無かった。

「い、いつから…!」
「マスター。この場で剣を抜く無礼、お許しを。」

間に割って入ってきたのはサーヴァント。
甲冑を纏い、西洋の剣で以蔵の剣を涼しい顔で受け止めていた。
速い。
そもそもまるで気配がしなかったし、一体どこからどうやってこの間に入った?
以蔵にはそれらが一切見えなかった。

「かまいませんよ。さぁセイバー。身の程をわきまえない産廃に、現実を見せてやりなさい。」
「…かしこまりました。」

その直後。以蔵は刀を弾かれる。

「んのっ!」

そこから間髪入れず襲いかかってくる傭兵のサーヴァント。
セイバーと呼ばれた甲冑のサーヴァントは表情1つ変えぬまま、高速の連撃を次々と以蔵に叩き込む。
防戦一方。
セイバーの攻撃を防ぎ、受け流すことで精一杯だった。
しかしそれもここまで。

「調子に乗るのもええ加減にせえ!おまんの剣…覚えたぜよ!!」

以蔵に剣で勝負を挑む。
それがどれほど愚かなことか相手は分かっていなかったようだ。
剣の天才。
彼は相手の太刀筋を見ただけでそれを理解し、自分のものとすることができる。
だが…

(なんじゃ…コイツ!?太刀筋がまるで読めん…!!)

避けられない。
そして、真似ができない。
あまりにも早すぎる、重すぎる。
剣の天才の自分でも到底真似することが出来ない。
これはなんだ?こいつは誰だ?

「岡田以蔵…剣の天才を自称しており、相手の剣を見ただけで完全に真似することが出来る…らしいですが、真似が出来なくて戸惑っていると言ったところですか?」
「…っ!」
「おや、図星でしたか。」

真似ができないことを傭兵に見抜かれ、動揺する以蔵。


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