暁 〜小説投稿サイト〜
星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
疾走編
第三十八話 戦いの合間に
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「そうねえ…あんな感じ、というより、全てが自然だったわ。下士官と言っても術科学校を出たばかりの人達って、なんか板についた感じでは無いのよ。年も若いしペーペー感満載なのよね。貴方もご存知のマイクやオットーにはそれが有ったわ。でも、彼にはそれが無かった。自然にこなしている感じだったわ。中尉、貴方も士官学校の頃、感じていたんじゃない?」
「自然にこなしている、ですか…観察する様なそんな余裕はありませんでしたよ、最初は蹴落とす存在としか見ていませんでしたから。ご存知でしょうが…当時の小官は、誰から見ても嫌な奴だったでしょうね」
「否定出来ないわね、悪いけど」
「…はは、否定出来ませんか…だが、そんな私を変えてくれたのはウィンチェスター先輩でした。いえ、マイク先輩やバルクマン先輩、アッテンボロー先輩やキャゼルヌ大佐…そしてヤン中佐」
「みたいね」
「ええ、皆さんのお陰で小官は、私は地に足をつけることが出来た。とても有難い事です。先輩方に出会う事が無かったら、出世しか頭にない誇大妄想症の私が出来上がっていたかも知れません」
「そんな事は…」
「無い、とは言い切れません…確かに今でもヤン中佐に追い付け、ウィンチェスター少佐を追い越せ、という点では変わりはありません。ですが、彼等を手本として正々堂々と二人を追い抜き、皆に尊敬され、敬愛される統合作戦本部長を目指したいと今では思っています」
「なれるわよ、きっと。越える壁は大きければ大きい程いいわ。今は無理でも、ね」
「はい……何故こんな事を話してしまったのか…内緒にしておいて下さいよ」
はいはい、また頭を掻きむしって…ホントに髪の毛無くなっちゃうわよ。
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