暁 〜小説投稿サイト〜
恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
第百十二話 一同、赤壁に出陣するのことその二
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「もう任せてもらっていいわ」
「そうよね。それじゃあね」
 リムルルが孫策のその言葉に頷いた。
「孫策さん、御願いね」
「任せておいて。じゃあ今はね」
「今は?」
「今はっていうと」
「もうこの辺りじゃ売ってるのよ」
 急にだ。孫策の顔が笑顔になった。そのうえでの言葉だった。
「揚州の酒がね」
「それってまさか」
 キングがここで自分の左手を見た。そこでは。
 黄蓋が飲んでいた。それも実に美味そうに。
 その酒を飲んでいる彼女を見てだ。キングは孫策に言うのである。
「あれ?黄蓋さんが飲んでる」
「そうそう、あれよ」
 まさにだ。その酒であった。
「祭ってもう飲んでるのね。相変わらずよね」
「っていうかあの人何処でも飲んでるだろ」
 凱がその酒を見て言う。
「もう今更って感じだよな」
「うむ、やはり美味じゃ」
 その黄蓋の言葉だ。既に顔が赤くなっている。
「揚州の酒はよい」
「そうですね。確かに」
 何故かここで鳳統もいてだ。彼女も飲んでいる。
「このお酒いけます」
「ってあんた飲むんやな」
 あかりがその鳳統に気付いて突っ込みを入れた。
「それもかなり」
「お酒。好きですから」
「甘いものだけやないんやな」
「何か。中から求めるんです」
 そのだ。酒をだというのだ。
「それで」
「ううん、またしても中身かいな」
「何といいますか」
「まあええけどな」
 あかりもそれでよしとした。それでだ。
 あらためてだ。鳳統は。
 さらに飲む。しかも瓶ごとだ。
 ごくごくと飲みだ。瓶を一つ開けてしまった。それを見てだ。
 覇王丸もだ。唖然として言う。
「思った以上に飲むな」
「何かどれだけ飲んでも酔えなくて」
「いや、それは半端じゃねえな」
「そうでしょうか」
「ああ、凄いな」
 覇王丸ですらこう言う程だった。
「隠れた酒豪だな」
「ふむ。見所があるのう」
 黄蓋もその鳳統には太鼓判だった。
「これは将来が楽しみじゃ」
「確かにな」
 覇王丸もそれは同じだった。
「ここまで飲めるとな」
「わしも負けてはおれん」
 黄蓋は自然にこうした感情にも向かった。
「ではより飲むか」
「よし、俺もだ」
 こうして鯨飲に向かう彼等だった。他の面々もだった。
 その揚州の酒を楽しむ。それは張飛も同じだった。
 食べるだけでなく飲みもしてだ。満足した顔で言うのである。
「やっぱり酒は最高なのだ」
「それ何かやばい言葉だな」 
 一緒に飲む馬超が突っ込みを入れる。
「酒を子供にしたらな」
「もうそれだけでよね」
 それは馬岱も言う。
「最高に危ない言葉になるわよね」
「そうだよな」
「それでもいいのだ」
 しかしそれでもだ。張飛は飲めればよかった。

[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ