第二章
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ダークブラウンの毛がふわふわとしてきた、もう尻尾は切って短くなっていて黒い奇麗な目と短いドワーフタイプの足の特徴がもう出ている、そんな子犬の姿になっている。
その外見も見てだ、夫は妻に話した。
「吠える時に吠える、言われたことは覚える」
「そして大人しくて愛嬌があってね」
「喧嘩もしない、優しい」
「こんないい娘いないわ」
「だから幸せになるしな」
「私達も幸せになる様にしないといけないわね」
「絶対にな、じゃあ離乳食の用意もな」
日に日に大きくなっている彼女を見て言った。
「しておこう」
「そうしましょう、そしてね」
「期限になったらな」
「八条ペットに連絡して」
契約しているそのペットショップのグループにというのだ。
「そして」
「そのうえでね」
「いい家族に迎えてもらおう」
「そうなる様にしましょう」
夫婦はふわりを見て彼女は絶対に幸せになると確信していた、そしてそうなる様に努力していこうと誓った。
だからこそだ、後でふわりの話をドリトル先生から聞いて言った。
「残念です」
「そんな目に遭っていたなんて」
先生から今は心ある人の家族に迎えられているふわりを見つつ言った。
「この娘はきっと幸せになる」
「他の子もそう思いながら育てて送り出してるんですが」
「世の中そんな酷い人達もいるんですね」
「いると思っていましたがやっぱり」
「そのお話を聞くだけでも残念なのに」
「この娘がそんな風になっていたなんて」
「今は救い出されて幸せになっています」
先生は沈み込む夫婦に話した。
「ですから安心して下さい」
「はい、ですがそんなことは起こらないで欲しいです」
「折角家族に迎えたのに捨てるなんて」
「命ですから」
「そんなことだけは起こって欲しくないです」
「全くです、僕も同じ思いです」
先生も言った、そして生家に帰ってそこの記憶がないのかきょろきょろと見回しているふわりを見た。ここで幸せを心から願われて育った彼女を。
そしてだ、先生はこうも言った。
「皆幸せになる為に生まれてきましたから」
「この娘の兄弟は皆幸せになっているそうです」
「そう聞いています」
「そして両親も健在です」
「今もいますが」
「ワン」
「ワンワン」
両親はふわりのところに来て彼女を包み込んでいる、ふわりには彼等の記憶もない様だが優しさを感じて尻尾を振っている。
その彼等を見てだ、先生は言うのだった。
「これからは本当の意味で幸せになりますので」
「だからですね」
「私達はしょげかえることはないですね」
「この娘の幸せを聞くことを楽しみにしておいて下さい」
こう夫婦に言った、そしてふわりを見ると今の彼女は両親に囲まれて一緒に遊んで幸せなのが明らかだった。
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