プロローグ
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ろう? よければ乗っていくといい」
「ホント!?」
思わず素が出てしまった。
私からすれば願ってもない申し出だ。
よく考えれば、最初からその気だったのかもしれないけど。
「話してる暇が勿体ない。早く乗ってくれないか?」
「ありがとうございます!!」
深い角度でお辞儀をし後ろのシートに跨る。
前にいる彼の胸の辺りで手を組む。
「しっかり?まっておけ」
そう言うと、少しだけスロットルを回した。
再び回したかと思うと、今度は大きく捻る。
左手でレバーを握り、左足でギアを踏むと、またスロットルを回す。
私が見えたのはそれだけ。気付いたら、バイクは走り出していた。
「は、はっやーい!」
風を肌に感じる。
景色が横に流れる。
視界に映るのは移り変わっていく色のみ。
自分の時間だけ先に進んでるかのような錯覚。
飛んでるのとはまた違った心地よさ。
爽快感で言ったら、バイクの方が上かもしれない。
「感激しているところ悪いが、そろそろ着くぞ?」
「もう!?」
「・・・・・・時間も危ないしな。行けるところまで走ってやろうじゃないか」
私の残念そうにしているのに気を遣ってか、バイクの速度が上がり出す。
この感覚は病みつきになりそうだ。
「ああ、それと──」
突然、彼が口を開いた。
「──落ちないようにな」
「え?」
文字通り、宙に浮いた。
慌てて前を見ると、ガラスの窓。
そのまま破砕音と共に容易くそれを突き破った。
『・・・・・・・・・・・・』
広がる静寂と突き刺さる視線。
彼以外の全員が、茫然とする。
はやてちゃんやフェイトちゃんが台の上にいることから、かなり重要だったに違いない。
「これは、経費で落ちるかね?」
「落ちるわけないやろ!」
間の抜けたことを言う彼を怒鳴り散らすはやてちゃん。
「貴方の給料から引かせてもらいます!」
「何で怒っているんだ。私が何かしたか?」
「何かしたどころじゃないわアホ!」
「ふむ・・・・・・」
もしかして、私があそこで残念そうにしなければこうはならなかったのではないだろうか。
皆が未だに状況を把握しきれていないのは当然だろう。
はやてちゃんの対応の早さには脱帽する。
フェイトちゃんは台上にも関わらずオドオドしてるし。
「ねぇ、フェイトちゃん」
「な、なのは!? いつまで経っても来ないから心配したんだよ!」
「にゃはは・・・・・・ごめんごめん」
気になって話しかけてみると怒られた。これには苦笑いでしか返せない。
「
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