第四話 テスト勉強その八
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「その前に結核だったんだ」
「その病気だったのね」
「だからどのみちだ」
当時の医学ではというのだ。
「長くなかっただろうな」
「心中しなくても」
「そうだったろうな」
「そうした事情があったのね」
「兎に角昔はな」
「今よりなのね」
「若くして亡くなる人が多かったんだ」
そうだったというのだ。
「そして今もな」
「昔よりはずっと減っても」
「それでもだ」
こう言うのだった、娘に。
「生きているとあるんだ」
「親戚や友達が若くして亡くなって」
「それを見ることもな」
「そうなのね」
「その時どれだけ悲しくて残念か」
親戚や友人が若くして亡くなるのを見てだ。
「そう思うとな」
「長生きはすることね」
「したくても出来ない場合もあるがな」
「事故や病気で」
「それでも出来る限りだ」
「長生きする様にすることね」
「それが大事だ」
こう娘に話した。
「一華も覚えておいてくれ」
「そうするわね」
「頼むな」
「わかったわ」
一華も父の言葉に素直に頷いた、そして学校でかな恵達にこのことを話すとすぐに富美子が言ってきた。
「まあ人間絶対にね」
「絶対に?」
「何時かは死ぬからね」
こう言うのだった。
「やっぱりね」
「だから若くしてもなの」
「亡くなる人もね」
「いるのね」
「ええ、ただ自殺はね」
富美子はこの死に方には苦い顔で言った。
「よくないわね」
「自殺ね」
「これが一番ね」
この死に方がというのだ。
「残った人達にとって嫌でしょ」
「何で自殺なんかって思うわよね」
留奈が頷いた。
「自殺されたら」
「そうでしょ」
「どうしてもね」
その場合はとだ、富美子に応えた。
「私の遠い親戚の人が自殺してるのよ」
「そうなの」
「理由はわからないけれど」
それでもというのだ。
「歳取って病気のまま一人暮らしで」
「それでなのね」
「多分それが理由と思うけれど」
「詳しいことはわからないのね」
「親戚皆残念に思っていたから」
自殺されてというのだ。
「本当にね」
「自殺はよね」
「するものじゃないわね」
絶対にというのだ。
「やっぱり
「そうよね」
「よくいじめとかで自殺する人いるけれど」
理虹も言った。
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