第二章
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「どうやら警戒されてるね」
「猫は警戒心が強いから」
妻は夫に話した。
「だからね」
「僕を見たら逃げたんだね」
「そうね、それじゃあ」
「うん、ここはね」
「これからご飯をあげるとすれば」
「隠れてね」
「そうしてね」
そしてというのだ。
「あの子にご飯をあげていこう」
「それがいいわね」
こう話してだった。
次の日からツナやキャットフードを毎朝こっそりと置いておくとそのチャトラの猫は毎日来て食べる様になった、しかし。
「やっぱりね」
「私達を見ると逃げるわね」
「そうだね」
「そうするわね」
「けれどそろそろ寒くなるし」
夫は今度はこう話した。
「だから寒さ対策に小屋作ろう」
「そこに入ってもらうのね」
「そうしよう、やっぱりあの子に見付からない様にしてね」
夫は微笑んで言った、そうしてだった。
二人は笑顔で話してだった、そのうえで。
中に毛布を置いて猫が入られる様な小屋を作った、すると。
置いた翌朝だった、その中に。
「いるわね」
「そうだね」
レックスは妻と共に箱を見て微笑んだ、見ればだった。
そこに猫がいた、しかも。
「ニャア」
「僕達を見ても逃げないよ」
「そうなってくれたわね」
「これまでは逃げていたけれど」
「それが変わったかな」
「一年はかかったけれど」
「それでもね」
二人でこう話した、そしてだった。
猫にご飯をあげたがこの時も逃げなかった、翌朝レックスが仕事に行こうとすると。
猫が家の窓のところで自分と妻を見てちょこんと座っていた、それで夫は妻に言った。
「ご飯あげようか」
「そうしましょう、ビスケットもあるけれど」
「普段のキャットフードと一緒に」
「それもあげましょう」
「そうしよう」
夫婦で話してだった。
そのうえでご飯をあげた、すると。
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