第三章
[8]前話
「人気出て実際に私もね」
「それが人気にもなの」
「つながってね、グラビアのお仕事もあるし」
「それでなのね」
「小柄もいいなってなってるの」
「今はそうなのね」
「ええ、ただね」
ここでだ、満里奈は。
小声になって萌花にこう言った。
「私水着は無理なの」
「声優さんも水着になるの」
「アイドルから声優さんになった人はその前になったりしてるし」
「アイドルだと必須だしね」
萌花と身体を引っ張り合ってほぐし合いつつ応えた、ここでも二十五センチはある対格差が出ている。
「水着になるのは」
「あと下着もよね」
「声優さんもなるの」
「なる人もいるの」
「そうなの」
「写真集も出すしね」
「あんた写真集は出したの?」
萌花は満里奈に問うた。
「それで」
「魔だよ、出させてもらったら嬉しいけれど」
「水着や下着はなの」
「絶対にね、恥ずかしいから」
だからだというのだ。
「事務所もそうしたお仕事はいいって言ってくれてるし」
「それでなのね」
「それはね」
もうというのだ。
「しないわ」
「そうなのね、何かあんたも」
萌花は満里奈にあらためて言った。
「普通ね」
「普通?」
「そう、高校に通いながら声優さんやってるからどんな娘かって思ってたけど」
それでもというのだ。
「普通の娘ね」
「そうなの」
「そう思ったわ、人ってお仕事や立場でどうかじゃないのね」
「そうじゃない?変な人は何処でも変だし」
「そうよね、じゃあこれからもお仕事頑張ってね」
「そうしていくわ、この前またいい役もらったし主役のアニメの二期の収録もはじまるし」
満里奈は萌花に笑って応えた、だがここで。
萌花は満里奈の体操服にブラが透けているのを見た、そして彼女に笑って囁いた。
「ピンク?」
「それ言わないで。好きな色だから」
「わかったわ」
萌花は顔を赤くさせた満里奈に笑ったまま応えた、そうして彼女それに他のクラスメイト達と共に体育の授業を行った。そこでも満里奈は普通の娘でやがてクラスに完全に溶け込み学園生活を過ごした。それは卒業まで続いた。
学生声優 完
2021・11・24
[8]前話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ