第六十七話 春休みが終わってその十一
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「さっきから千里ちゃん待ってたんだよ」
「さっきからですか?」
「そろそろ来るかもとか言いながらね」
「お待ちしていました」
その阿波野君も言ってきました。
「さっきから」
「待つ必要ないでしょ」
阿波野君にこう返しました。
「別に」
「いえ、先輩が詰所に入られる日ですから」
「それでなの?」
「お祝いにと思いまして」
こう言ってでした。
私に目覚まし時計を差し出してきました、そうして言ってきました。
「両親からって」
「阿波野君の?」
「先輩が大学に入学されるって僕が言ったらそれならって買ってくれたんですよ」
「私になの?」
「はい、そうです」
「私阿波野君のご両親と会ったことないわよ」
こう返しました。
「これまで」
「それでも僕が言ったら」
「それでなの?」
「お金出してくれて」
それでというのです。
「選んでもくれました」
「私の為になの」
「はい」
「あの、凄く悪いけれど」
こう阿波野君に返しました。
「ちょっと」
「そうですか?」
「そこまでして頂くなんて」
「けれど先輩これから早起きですよね」
「四時半に起きてね」
そしてです、おみちの朝は早いです。宗教家のお昼は早いですがこのことは天理教においても同じことです。
「それで神殿言ってね」
「そうしてですよね」
「まずは参拝させてもらって」
そうしてです。
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