第三十話 ゴールデンウィークが終わってその一
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第三十話 ゴールデンウィークが終わって
咲は五月五日を迎えた、この日でゴールデンウィークは終わりだがこの日は部活で学校に出ていたが。
部室である昔の漫画を読みつつ咲は言った。
「ちょっとこのギャグは」
「凄いよね」
部長がすぐに咲に応えた。
「赤塚先生のギャグは」
「はい、かなりです」
「犯罪めいたことというか」
「犯罪ですよね」
「そんなギャグも多いね」
「あの、友達のお話で」
天才バカボンを読みつつ話した。
「お邪魔したら手が一本だけ出る一家が」
「そのお話凄いよね」
「バカボンパパ家に火を点けてまでして」
「一家の顔を見ようとするけれど」
「一家は結局焼け死んでね」
「四本の手だけが残ったって」
「バカボンパパ放火と殺人だよ」
この二つの凶悪犯罪を行っているというのだ。
「四人も殺してるよ」
「死刑ですよね」
「うん、ただね」
「あの、手が四本だけって」
焼けた後で出て来たのはだ。
「この一家って」
「何者だったんだろうね」
「犯罪も滅茶苦茶ですが」
それでもというのだ。
「この手だけって」
「考えれば考える程怖いね」
「これギャグですか?」
咲は読みながら本気で思った。
「本当に」
「どうだろうね」
部長も本気で応えた。
「これは」94
「わからないですよね」
「妖怪だったかもね」
部長は咲にこう話した。
「このお友達は」
「手だけの」
「そうかも知れないね、赤塚先生の作品ってこうした凄い展開もあるんだ」
「そういえば他にも」
咲は読みつつ応えた。
「手足切ったりとか」
「あるよね」
「ギャグにしても」
「赤塚先生って狂気の漫画家とも天才とも言われていたんだ」
「ギャグがあまりにも凄くて」
「もう常識を無視していたから」
だからだというのだ。
「それでね」
「そう言われていて」
「実際にそうした作風だったんだ」
「凄いですね」
「うん、ただね」
ここで部長はこうも話した。
「ギャグ漫画って描くのも大変だよ」
「そう言われていますね」
咲もそう言われていることは知っていて頷いて応えた。
「何か」
「うん、それで赤塚先生もね」
「苦労していたんですか」
「ギャグ漫画描く為にね」
まさにその為にというのだ。
「いつもお酒飲んでいたらしいよ」
「お酒をですか」
「うん、お家にある飲みものはね」
「お酒ばかりだったんですか」
「というかお酒しかなかったんだ」
そうだったというのだ。
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