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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
疾走編
第三十七話 ダゴン星域の迎撃戦(後)
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様です」
「その様だな。敵を鍛えてしまった、という訳だ。しかし…まったく動かないのも妙だな」
「もしや、増援を呼んだのでは」
「…有り得るな。少佐、もしそうならどの程度の増援を呼んだと思うかね」
動きは素人臭くて、アニメ通りなら明らかに貴族の艦隊だ。しかし規模は一万隻…よほどの大貴族には違いない。大貴族ならブラウンシュヴァイク一門かリッテンハイム一門の誰かだろう。そうなら軍に働きかけるのは容易だろう。だが門閥貴族としてはあまり軍に借りを作りたくはない筈だ。となると呼ぶのは貴族の艦隊か…?
だが軍としてもまったく助けない訳にもいかないだろうから、申し訳が立つ程度には正規軍の艦隊も出てくるだろう…これは厄介だぞ…。
「少なく見積もって一万隻程度の増援があるのではないかと」
「一万隻だと?帝国の正規艦隊クラスではないか」
「対峙している敵艦隊はおそらく貴族の艦隊です。貴族は原則論が当てはまりませんし、帝国の正規軍も貴族だけには任せきりにはしないでしょう。最悪貴族の艦隊と正規艦隊が別々に現れる可能性があります」
「そういう事か…しかし君は帝国の内情に詳しそうだな」
「いえ、そんな事は…」
「カイザーリング氏を降した時もそうだった…まあいい、我々にも増援が来る。君の推察が正しければ、それまで現状維持だろうな」
「ですね」





8月27日12:00 ダゴン星域外縁部(同盟側)、銀河帝国軍、第四〇一任務艦隊 旗艦ノイエンドルフ
ヒルデスハイム

 おのれファーレンハイトめ…私を補佐する役目を捨てて逃げおって…本当に解任する筈がないではないか!!……まあいい、呼びたくはなかったが、増援が来ればこちらは我々を含めて二万隻を越えるのだ。さすればダゴンを抜き、叛徒共に懲罰を与え、意気揚々と凱旋出来るというものだ。帝国を担うのは軍人共ではなく我等門閥貴族の役目という事を知らしめねばならぬ。それを思えば数日の我慢などどうという事はない…。
「ティアマト方向より味方と思われる艦隊が現れました!約…二万隻を越えます!」
おお、来たか!…だが数が多いな…フレーゲルが八千、シャイドとシュッツラーがそれぞれ五千ほどだった筈だが…。
「オペレーター、正確な数が分かり次第知らせろ」
「了解致しました!………二万四千隻です」
誰かは判らぬが有難い事だ。
「フレーゲル、シャイド、シュッツラーが来ているのは判っている。オペレーター、残りは誰か判るか?」
「はっ……識別反応は…ネルトリンゲン、第二十任務艦隊…メルカッツ艦隊です!」
メルカッツだと?なぜ奴が来ているのだ?
「メルカッツ提督より映像通信が入っております、正面スクリーンに回します」

“ご機嫌麗しゅう存じます、ヒルデスハイム伯爵”

「久方ぶりだな、メルカッツ提督。卿を呼
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