疾走編
第三十七話 ダゴン星域の迎撃戦(後)
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のだ!今日は休日日課だというのに!
「何かあったのか」
“お休みの所を申し訳ありません、第五一七任務艦隊および第五一九、五二〇任務艦隊が回廊内に入りました。入港許可を求めています”
第五一七…五一九…五二〇…確か、フレーゲル男爵、シャイド男爵とシュッツラー子爵の艦隊だったな。まさか…ヒルデスハイム伯爵が呼んだのか?それとも勝手に来たのか?…どちらも有り得るから始末に負えん…。
“如何なさいますか…?”
「入港させん訳にもいくまい。艦隊規模の小さな方から入港させろ」
“了解致しました”
こんな時でもヴァルテンベルグはのうのうと寝ておるのだろうな…仕方ない、起こしてやるとするか…。
“卿に俺を起こす習慣があったか?”
「やはりまだ報せは行っておらなんだか。第五一七、五一九、五二〇任務艦隊がイゼルローン回廊に入ったぞ。これから入港だ」
“…要塞司令官の卿はともかく、俺には関係ないだろう?”
「そうもいくまい。大貴族の機嫌を損ねると後が面倒だぞ…一応報せたからな、後で聞いておらんとか言うなよ」
…くそっ!勝手にTV電話を切るな!こっちは宿主だぞ!人の好意を迷惑そうに…どら息子どもめ!…しかし、ヴァルテンベルグはともかく、軍三長官の何れからも連絡は無かった…理由を訊ねるべきか否か…まったく何て朝だ!
宇宙暦791年8月26日08:00 ダゴン星域外縁部(同盟側)、自由惑星同盟軍、
EFSF第二分艦隊旗艦ベイリン ヤマト・ウィンチェスター
敵に妙な知恵をつけてしまったようだ。
本隊と第一分艦隊に呼応して、三度ばかり敵艦隊の側面を叩いた。敵先頭集団を半包囲して痛撃を与えたのち、本隊集団が後退。追いすがる敵艦隊の左側面を、俺の所属する第二分艦隊が小惑星帯から飛び出して攻撃。こちらの本隊集団と第二分艦隊、そのどちらを追うか右往左往している敵を尻目に更に本隊集団は後退。第二分艦隊も小惑星帯に急速後退。これを繰り返していたら敵艦隊はこちらを追うのを止めてしまった。
こうなってしまうと小惑星帯に隠れていても仕方ないので、第二分艦隊も本隊集団に再度合流した。今はダゴン星域外縁部で敵艦隊と対峙している。概算で三千隻程の損害を与えたのではないかと思う。だけど、こちらも千隻近い被害が出ている。布陣自体は有利に戦えているものの敵が出鱈目に撃って来るので、狙点が被って敵主砲の集中射を浴びる艦が意外に多かった事と、これまた敵艦の強引な突撃に巻き込まれて誘爆する艦が多かった為だ。それに流石に三度目の攻撃の時には敵も多少統制の取れた動きを見せていた。
「素人同然とはいえ、数が多いからな」
シェルビー司令も驚いていた。
「烏合の衆とはもう言えませんね、敵に戦度胸をつけてしまった
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