暁 〜小説投稿サイト〜
自分の娘そっくりの愛人とか
第二章
[1/2]

[8]前話 [1] 最後
「小柄でもスタイルいいしな」
「声は奇麗で演技もいい」
「おまけに謙虚で真面目で明るい」
「性格もいいし」
「父親とは全く違う個性でも」
「いいタレントさんになるな」
 周りはその彼女を見てこれはとなった、そして彼女は。
 実際に父の名前もあったがそれを抜きにしても活躍しはじめた、ドラマに出てバラエティー番組でも明るく話し。
 水着のグラビアも声優もこなした、その中で。
 勝川が絶対に手を出さない女の子がいる店に行ったある若いお笑い芸人が店のその娘を見て驚きの声をあげた。
「えっ、あの娘」
「そうですよね」
「そっくりですよね」
「勝川さんの娘さんに」
「日菜ちゃんに」
「そのままじゃないか」
 お笑い芸人は彼女を見て言った。
「どう見ても」
「日菜ちゃん自身かっていう位に」
「怖い位そっくりですよ」
「冗談抜きに」
「見て驚きました」
「仕草もそっくりだし」
「そういうことか」 
 お笑い芸人はこれで納得した、何故勝川があの娘だけは持ち帰らないのか。そしてこのことをだった。
 勝川は耳に聞いたが彼はそこで親しい者達に話した。
「だから俺もだよ」
「あの娘は、ですか」
「お持ち帰りしなかったですか」
「そうだったんですか」
「ああ、日菜にそっくりだったからな」 
 自分の娘にというのだ。
「最初見て日菜がそこにいるのかって思ったんだよ」
「本当にそっくりですよね」
「仕草も声も」
「私達も見たんですが」
「本当にそうですね」
「幾ら何でも自分の娘とそうしたこと出来るか」
 勝川は真剣な顔で語った。
「俺もな、それがそっくりさんでもな」
「そうですよね」
「流石に自分の娘さんってのは」
「誰だって無理ですよ」
「普通は」
「そんなこと出来たら変態だ」
 勝川は強い声で言い切った。
「というか人間か、気持ち悪いにも程があるだろ」
「ええ、本当に」
「有り得ないとしか言い様がないですね」
「そんなことは」
「自分の娘さんとなんて」
「だから俺はあの娘だけは持ち帰らないんだ」
 自他共に認める女好きでもというのだ。
「何があってもな」
「そういうことですね」
「よくわかりました」
「それは当然ですね」
「女好きでも娘は娘だ」
 自分のとだ、勝川は言った。
「自分も娘とはな」
「ですよね」
「それは勝川さんもですね」
「そういうことですね」
「ああ、人間としてそれは無理だ」
 こう言うのだった、そしてそれからもだった。
 勝川は彼女だけは持ち帰らなかった、そうして浮名を流し続けた。女好きでもそうした女性だけは最後までそうしたことはしなかった。


自分の娘そっくりの愛人とか   完


                     
[8]前話 [1] 最後


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ