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戦姫絶唱シンフォギアGX〜騎士と学士と伴装者〜
第2楽章〜白衣の学士と四色の騎士〜
第16節「翔のいない日々」
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ら、彼女達はソロモンの杖にあたるコマンド端末を量産している可能性があるわ」
「そんな事が出来るんですか!?」
「オリジナルのソロモンの杖に比べれば、性能は多少劣化しているでしょうけどね」

了子の推測に姫須は目を剥いた。
これまでに対峙したどの敵勢力よりも遥かに強大な力を持つキャロル一味。綿密な計画の上に、それを実行する技術力を兼ね備えているなど、相手する側からしてみれば、たまったものではない。

「でも……それじゃあ……敵は何のためにシンフォギアを……!?」
「現状だと、そこがちょ〜っとハッキリしないのよね。答えが見えるまであと一歩、って所なんだけど……。あ、この話、皆にはしちゃダメよ?」
「どうしてですか!?早めに言っておいた方が良いんじゃ……」

了子は珈琲を一口味わうと、人差し指を唇の方へと持っていく。

「確証が持てないうちから言っても、皆を困らせるだけだもの。最後の謎が解けたら、ちゃんと皆にも伝えるわ」
「なるほど……。つまり、『今はまだ、その時では無い』ってやつですね。シャーロック・ホームズ的な!」
「そうそう。謎解きパートはもう少しだけおあずけよっ♪」
「じゃあ、この辺で話題を変えますね。実はこの前、レクリエーションルームに来た藤尭さんがですね──」
「え〜、そんな事あったの〜?この目で見たかったわね〜♪」

2人だけの秘密ね、と言われれば姫須も口を閉ざすしかない。
これ以上の追求はやめにして、姫須は了子とのティータイムを楽しむ事にするのだった。

(……まあ、『何の為か』は分からないけど、『何故こんな事をしたか』は何となく見えてるのよね〜)

姫須とたわいも無い話をしながら、了子は脳内で思考する。

(シンフォギアの破損と同時に、私達の方へ転がり込んできたエルフナインちゃん。手土産に盗んできたダインスレイフ。話がどうも出来すぎてるわよね〜……)

シンフォギアに関する技術は、S.O.N.G.が有する機密の中でも最重要の機密事項。
その為、本来ならばその改修には、了子が1人で当たる筈だった。

しかし、Project IGNITEの発案者であり、錬金術の知識を有しているのはエルフナインだ。
更に、先日の襲撃で純のRN式アキレウスも破損しており、了子1人では人手が足りなくなってしまったのだ。

その状況に、了子にとって何かしらの作為を感じずには居られなかった。
一連の流れの裏にあるキャロルの目的に、シンフォギアへの細工という意図が見える気がしてならないのだ。

(念の為、コンバーターの改修作業は私も隣で見張ってるけど、今のところ怪しい動きは見られない……。でも、間違いなく何か裏があるはず。エルフナインちゃん自身の意図か、それともそうではないのか……どちらにせよね)


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