第2楽章〜白衣の学士と四色の騎士〜
第16節「翔のいない日々」
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ど籠りっきりでシンフォギアの修復を続けていた。
「ふぅ……やる事がまだまだ山積みね。もー、天才使いが荒いんだからッ!」
「失礼しま〜す。了子さん、お疲れ様です〜」
「あら、姫須ちゃん。どうしたの?」
そこへ現れたのは、姫須晶。二課の頃から所属している古株の職員だ。
彼女は手にしたお盆を示して、屈託のない笑みを了子へと向ける。
「お疲れかな〜と思いまして。いい時間ですし、一緒にお茶しませんか?」
お盆の上には珈琲の入ったマグカップと、小洒落たクッキーが小皿に積まれている。
「あら〜、気が利くじゃない。そろそろ糖分が欲しいと思ってたところなのよね〜♪」
了子はすぐさま道具を置くと、デスクの空いてるスペースに姫須を誘う。
やがて、大人の女2人による静かなティータイムが始まった。
「シンフォギア、直せそうですか?」
「あったり前でしょ〜。私を誰だと思ってるのよっ!」
「いや〜、了子さんの天才っぷりを疑ってるわけじゃないんですけどね。ただ……」
「ただ……どうしたの?」
「アルカ・ノイズ。あんなに強力な分解能力を持ってるのに、シンフォギアのコアはよく無事だったなって思いまして……」
姫須のその言葉に、了子の眉が一瞬ピクッと動いた。
「まあ、皆からはただの思い過ごしだって言われましたし、私も気の所為だと思ってるんですけどね!あまり気にしないでくださ──」
「姫須さん、あなた結構鋭いわね」
「……え?」
了子は足を組み、マグカップに淹れられたコーヒーの水面を見つめながら呟いた。
「実はね、私も妙だと思ってたのよ。な〜んか、わざとらしい壊し方してるな〜って……」
「え?いや、でも、シンフォギアはノイズの位相差からの攻撃に対して、ほぼ絶対的な防御力を誇ってるんですよね?コアとなる聖遺物が収められたコンバーターは、特に頑丈に造られているはずでは……?」
「あのアルカ・ノイズの攻撃を受けた瞬間、シンフォギアの各種防御シールドは殆ど突破されていたわ」
了子の言葉に、姫須の背筋が凍りつく。
それは、開発者の口から語られるには、あまりにも恐ろしい言葉だったからだ。
姫須の表情が強ばっていく中、了子は続ける。
「シンフォギアの防御を貫通した上で、修復が可能であり、尚且つ装者が無傷で済む程度の加減をさせた上で破壊した。状況的に、あれはそう見るしかないのよ」
「ノイズにそんな細かい加減が効くわけ……」
「一つだけ、方法があるわ。あなたも見た事あるんじゃないかしら?」
「あ……ソロモンの……杖……」
「これは推測だけど、アルカ・ノイズを造ったキャロルって娘は、おそらくノイズの設計を知っている。それに錬金術によるアレンジを加えたのがアルカ・ノイズだとするな
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