暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギアGX〜騎士と学士と伴装者〜
第2楽章〜白衣の学士と四色の騎士〜
第16節「翔のいない日々」
[4/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
まで言えるなら、心配要らないじゃないの」
「ああ。お陰で弱気も吹き飛んだ。ありがとう、マリア」

マリアが離れると、翼は目元を指で拭い、スポーツドリンクを一気に飲み干す。

「私が信じず、誰が信じるのだ。翔は無事だ。必ず戻る!」
「そうこなくっちゃね。さあ、捜索を続けましょう」

そう言ってビルの方へと向かおうとした時だった。
向こうの方から、ツェルトがこちらへと向かって来るではないか。

それも、何やら慌てた様子だ。翼とマリアは顔を見合わせる。

「2人とも、大変だ!!」
「どうしたのツェルト?」
「何か見つかったのか!?」
「そ、それが……にわかには信じられないようなものが見つかってな……」

首を傾げる2人を連れて、ツェルトは現場の中心地へと向かった。



「こ、これは……?」
「春谷さんが見つけたんだ。ここだけ、地面のコンクリートが他と違う色になっているらしい。しかも、綺麗な円形を描いてな」
「どういう事なの?」
「考え難い事ではありますが──」

首を傾げるマリアに、春谷は息を飲みながら応える。

「コンクリートを破って、地面に大きな穴を空けた後、それを綺麗に埋め直した……としか考えられません」
「まさか、これを翔が!?」
「いえ。コンクリートは綺麗に固まっています。生弓矢で突貫したにしては不自然です。……ですが、色が変わっているのはおそらく、コンクリートの下にある土や砂が混ざっているからではないかと」

春谷の言葉に、翼のみならずマリアとツェルトも困惑する。

オートスコアラー達は、例のアンプルのようなもの──エルフナイン曰く、テレポートジェム──を使用して撤退する姿が、映像が途切れる直前のカメラに映っている。
果たして、一体何故このような跡が出来ているのだろうか?

疑問ばかりが浮かぶ中、調査部の一人がタブレット端末を手に、春谷の方へと向かってきた。

「春谷さん、ここの地下には下水道が通っているようです」
「下水道……?という事は、つまり……」
「翔は地下に逃げた……そういう事ですか!?」
「不明な点は多いですが、現状、それが一番可能性として大きいかと」
「そうか……。やはり、翔は生きている……ッ!」

翼の表情に、完全に光が戻る。
少なくとも弟が、ビルの倒壊に巻き込まれる前に離脱していた事が分かった。それだけでも大きな進展だ。

「すぐにこの付近一帯の下水道をマップ化してくださいッ!私は捜索チームを編成しますッ!」
「了解ッ!」

春谷の支持を受け、調査部のエージェント達がテキパキと動き始める。

マリアとツェルトは、希望を取り戻した翼を見ながら、コツンと拳を合わせるのだった。

ff

調と切歌はトレーニングルームのシミュ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ