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八条学園騒動記
第六百三十九話 踊ることもその一

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               踊ることも
 アンはギルバートにキャンプファイアーの火を観つつギルバートに話した。
「これからダンスよね」
「そうだな」
「そのダンスもね」
 これもとだ、唐揚げの串に幾つも刺したものを食べつつ述べた。
「これもね」
「駄目か」
「規制厳しいのよ」
 そうだとういうのだ。
「これが」
「本当に何でもだな」
「そうよ」
「つくづく規制の多い宗教だな」
「規制どころかね」
「タブーだな」
「そう、だから快楽は駄目で」
 極端な禁欲主義でというのだ。
「悪魔もダンスが好きなのはね」
「贅沢が好きでか」
「悪徳の一つなのよ」
 そうされているというのだ。
「だからダンスもね」
「厳しいか」
「音楽でもロックに文句言うラビの人いるし」
「ロックでか」
「それでポップスでもラップでも」
 そうしたジャンルの音楽にもというのだ。
「快楽的とか堕落とか思われたら」
「クレームがくるか」
「ダンスもでね」
「何かだ」
 ギルバートはあらためて思って言った。
「もう言い出した者勝ちか」
「贅沢とか堕落とか」
「そう言えばな」
 それでというのだ。
「何でもそうならないか」
「かもね、ラビのどなかかが言えば」
 あるものについて贅沢や堕落とだ。
「それでね」
「問題になるか」
「そうしたところがあるわね」
「言い出した者勝ちか」
「連合全体であるでしょ」
 アンはワインを飲みながら話した。
「手を挙げた人がね」
「勝つな」
「それで言った人がね」
「どんな無茶苦茶な理屈でもな」
「そうした場合稀でもね」
 それでもというのだ。
「あるでしょ」
「嫌なことにな」
「まあすぐに批判されるけれど」
 誰かがつけた理不尽なクレームはというのだ、こうしたことは民主主義の宿痾の一つと言うべきだろうか。
「それがユダヤ教だとね」
「特に多いか」
「あれが贅沢、これが堕落」
「そう言えばか」
「ラビの方がね、そうすれば」
 それでというのだ。
「他の国よりもね」
「通じるか」
「そうしたところがあるわ」
「難儀な話だな」
「ええ、しかもそれを言うことが生きがいの人も」
 ユダヤ教のラビの中にはというのだ。
「おられるわね」
「まさにクレーマーだな」
「それもラビだから」
 ユダヤ系のコミュニティの軸である立場だからだというのだ。
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