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ハッピークローバー
第四話 テスト勉強その四

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「本当にな」
「私達にはまだ早いのね」
「かな恵ちゃんも強い酒飲んでないだろ」
 父は娘に問うた、かな恵も他の三人も子供の頃からよく家に来るので彼もよく知っているのである。
「そうだろ」
「うん、かなりの量飲むけれど」
「それでいい、ウイスキーはな」
「あの娘もまだ早いのね」
「そう思うな、だからな」
「飲むお酒も考えろ」
「そういうことだ、じゃあお父さんももうすぐ寝る」
 その様にするというのだ。
「一華も寝るんだ、寝ることもな」
「大事よね」
「人間寝てこそだ」
 父も言うのだった。
「よく寝てよく勉強する」
「それが一番ね」
「さもないとな」
「いざって時に身体壊して」
「駄目になるからな」 
 だからだというのだ。
「よく勉強してな」
「よく寝ることね」
「そうだ、よく寝てな」
 そうしてというのだ。
「頑張るんだ、間違っても徹夜はするな」
「それは駄目なのね」
「お父さんもしないしな」
「したことないね」
「あるから言うんだ」
 今はしないし一華にもしろと言わないというのだ。
「あんなに身体に悪いものはない」
「徹夜でお勉強も」
「何をするにしてもな」
「徹夜はよくないのね」
「そうだ、だからよく寝てな」
「よく休んで」
「よく勉強するんだ」
 こう言うのだった。
「いいな」
「うん、それじゃあね」
 一華も頷いてだった。
 そのうえでパジャマに着替えて寝た、そして。
 朝になるとだ、父は娘におはようの挨拶を交えてから尋ねた。
「どうだ、調子は」
「すっきりしてるわ」
 一華は父に笑顔で答えた、もう制服に着替えている。
「この通りね」
「そうか、じゃあ今日も頑張るんだ」
「やっぱりゆっくり寝てこそなのね」
「何でも頑張れるんだ、あと仕事にもよるけれどな」
「お仕事にも?」
「人間朝起きて夜寝る方がな」 
 その方がというのだ。
「いいな」
「朝型の方がいいのね」
「そうみたいだな、ヒトラーみたいなのは最悪だな」
「あの独裁者の人ね」
 一華は自分の席で応えた、テーブルにはもう母によって朝食が用意されている。白いご飯と若布と豆腐の味噌汁に目玉焼きに漬けものが献立で母も自分の席に座っている。
「ドイツの」
「朝まで仕事をして遅くとも九時には起きてまた仕事だ」
「朝型っていうの?」
「夜型であまり寝ていない」
 九時になったら起こされていたからだ。
「そんな毎日だった」
「身体に悪そうね」
「だから最後の方はな」
「かなり身体悪かったの」
「そうだったみたいだな」
「そうなのね」
 このことは歴史にある、おかしな主治医の薬のせいもあって最晩年の彼はかなり衰弱していたらしい。
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