幕間:詩花、図らずの初陣に臨む事
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です!!」
「相分かった!下がれ!!」
素早く夏候惇らの横を過ぎて駆け抜ける兵士。夏候惇はにやりと口を歪め、大剣を担ぎ上げる。
将軍の隣に馬を並べる男、詰まりは将軍の副官であるその男はちらりと夏候惇を見遣って言う。
「其の為ならば、如何なるのです?」
「決まっているわ!!賊徒一つ蹴散らすのも容易い事よっ!!!曹洪、ちゃんとついて来いよ!?」
「言われなくとも!!」
それを聞くや否や夏候惇は勢い良く後方を振り返る。彼女らの後ろには、勇壮として立ち並ぶ幾十もの騎兵、そして幾百もの歩兵の姿が連なり、その合間合間より蒼き牙門旗、『曹』の一字が颯爽と靡いていた。それに向かって夏候惇は声を張り上げて命を下す。
「全軍駆け足!!天に仇為す匪賊の輩を、覇王の威光の前に平伏させるのだ!!!」
『おおおおおおおおおおっ!!!!!!』
咆哮が地を駆ける。それを機に大地が震動を覚えてぐらぐらと揺さぶられ、騎馬の群れが先行して走駆していく。風に煽らればたばたと揺れる牙門旗の向かう先にて、二つの人影が野蛮な風体をした賊徒の集団に包囲されていた。人影の名を辰野仁ノ助、もう一つを錘琳と云った。
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