第一章
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佐は赤ワインを出してコルクを空けて彼に振舞った、それで二人で料理を食べながら飲んでいると。
理佐はグラス一杯飲んでだった、急に。
眼鏡を外してだ、彼に言ってきた。
「暑くなってきたわね」
「そうですか」
「ちょっとね。お酒飲んで」
とろんとした目で言うのだった。
「そうなってきたわ。けれど気にしないで」
「あの、主任酔ってません?」
「酔ってるわ。けれどこれで止めるから」
見れば実際にそれ以上は飲もうとせずボトルは彼の方に置いていた。
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