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同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦(9)〜セレンゲティ氷原大機動戦(上)〜
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事が後を引いていた。ラインハルトはグリンメルスハウゼン艦隊という配置に焦っていた。
それだけに目立つ手柄を得る員はこの副将としての立場を使うしかない、と思い詰めている節があったのだ。
「航空優勢が確保できん!これでは情報が遮断されたままだ!叛徒の軍主力はどこにいるのか!?フランダン伯が相対した偵察騎兵隊はどこにいる!リューネブルクの戦場にいるのか、それともバーラトとやらにいるのか!」
「副司令官閣下、また輸送部隊が襲われたぞ。航空優勢が確保できぬのであれば地上を使うしかないが、このままではさらに護衛を張り付けるしかなくなる」
焦りを見せるラインハルトに対してフランダン伯爵大佐は冷静であった。指揮能力の問題というよりも単純な立場の違いによる余裕の差であるが。
「厄介な小蝿が飛び回っているようですな」
フランダンの幕僚が眉をひそめた。
「小蝿ではなく蜂というべきだ、そして蜂の群にさされれば勇猛な巨兵であれど死ぬ」
「フランダン閣下の言に理があるかと」
キルヒアイスが丁重に促すとラインハルトは無言でうなずき、考え込む。
「その通りだ――蜂は『煩わしい』で済むうちに駆除せねばならぬ、練度が高い部隊であれば叩けば状況が動く可能性もある」
ラインハルトの目から焦燥の色が消え、悟性の光が閃いた。
あわただしく車両が司令部車両群に向かってくる。警備の兵が武器を構え、誰何するのがキルヒアイスの目に映った。
「ていと‥‥副司令官閣下、伝令です!」
ラインハルトの優に倍の年齢であろう大尉が敬礼をする
「閣下、先の報告にあった叛徒の集積地についてです。占領が完了しました。敵との交戦もほぼ皆無であります」
どうだ、と胸を張っている。
「物資の確保はどうか?敵の投降は見られるか?」
「は…?集積地は全て無事であります。敵は我が軍の威容を恐れ、早期に撤退、降伏してくる部隊もおりません」
ラインハルトは頬を紅潮させて立ち上がった。
「厳戒態勢を解くな!奴等は戻ってくるぞ」
鞭打つような声に伝令将校の顔が赤らみ、唇が引き結ばれる。
「ラインハルト様、鹵獲品については――」
キルヒアイスの脳細胞は猛スピードで結論を弾き出した
「私の申し上げたように一時司令部預かりで論功行賞に従い再配分するということでよろしいかったっでしょうか」
フランダンが目を見開く
「あー‥‥それについては副司令官閣下と私で相談して決める、で良かったはずだが」
ラインハルトはどうでもよい、というように二人をアイスブルーの目で睥睨する。
「‥‥そうだったな、あぁそうだった」
「貴君の部隊はアノート男爵の部隊だったな。男爵は大帝陛下の海賊討伐で活躍した家系だ、必ずや勝利するだろう
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