第六十七話 春休みが終わってその十
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お父さんが朝ご飯の時に私に言ってきました。
「お父さん明日神殿に詰めるからな」
「そうなの、じゃあ」
「おぢばに帰るからな」
それでというのです。
「今日一緒に帰るか」
「じゃあ車で」
「乗ればいい」
お父さんが運転する車にというのです。
「電車で行くより安いしな」
「二人一緒だとね」
「それじゃあな」
「悪いけれど」
「悪くないさ、じゃあそういうことでな」
こうして私はお父さんと一緒に車でおぢばに帰ることになりました、そして実際に荷物を車に入れておぢばに帰りましたが。
おぢばに帰って詰所に入ると阿波野君が一階のロビーにいいました。
「先輩、こんにちは」
「まだ春休みよね」
私は阿波野君に問い返しました。
「そうよね」
「いや、家にいても仕方ないんで」
「おぢばに帰ってきてたの」
「それで回廊ひのきしんさせてもらっていました」
神殿のそれをというのです。
「ずっと」
「そうだったのね」
「一周させてもらっていました」
「お家にいても暇だから」
「はい、それで」
私にさらに言ってきっました。
「図書館で本読んで今はです」
「ここにいるのね」
「そうなんですよ、休憩に」
「それで私と会ったの」
「彼あれだよ」
詰所の事務所の中から大柄で顎髭を生やした小さな目の人が言ってきました、白石さんという人で広島の大きな教会の跡継ぎさんです。
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