第四百八十話 魔王様、勝利!その三
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「腹が減ってもな」
「そうしていけばいいのね」
「無理をしないでな、ではな」
「今からね」
「戦う、皆陣を崩すな」
九内は仲間達にも冷静に告げた。
「そしてだ」
「はい、戦いましょう」
アスタは剣を両手に持って言った。
「これから」
「冷静にな」
「そうしていきましょう」
「君も訓練通りにな」
「悪魔の力と剣を使ってですね」
「戦ってくれ、ただしだ」
九内はアスタにこうも言った。
「これも訓練通りにだが」
「俺は迂闊に前に出ないで」
「陣形を崩さずにな」
血気に逸るアスタの性格を戒めて言うのだった。
「そうしてだ」
「戦うことですね」
「俺も言ってるな」
ヤミも出て来た。
「お前は変に前に出るな」
「そのままの位置で、ですね」
「戦え、前に出るとだ」
ヤミはその場合も語った。
「殴るぞ」
「拳骨で思いきりですか」
「そうしてやるからな」
「まあ調子には乗らないことだ」
ロム爺も言ってきた。
「頭に血が上ることもな」
「駄目ですね」
「俺も人のこと言えねえけれどな」
それでもというのだ。
「出来る限りな」
「冷静にですね」
「戦っていけよ」
「わかりました」
「最初から全力でもすぐに息切れしますし」
こう語ったのは佐渡原舞だった。
「ですから」
「焦らない我を忘れない」
有子も言った。
「決して」
「これまで何度も戦ってきた相手に何故我を忘れる」
芥川の声は落ち着いている。
「油断しなければそれでいい」
「それならか」
「そうだ、油断せずだ」
芥川はさらに言った。
「容赦なくだ」
「敵を攻めるべきか」
「こうしてな」
羅生門の無数の黒い瘴気の棘で怪人達を貫きつつの言葉だった。
「していくべきだ」
「そうか、じゃあやっていくか」
「そうしろ、ただしだ」
芥川はアスタにこうも言った。
「やそがれの攻撃は敵味方を選ばない」
「だからか」
「やそがれの攻撃範囲には入るな」
アスタにこのことも言うのだった。
「若し入ればだ」
「その時はか」
「死ぬと思え」
「そうか、じゃあ入らないな」
「そうしろ、仲間を殺す趣味はない」
芥川の言葉は冷静なままだった、冷徹でさえあった。
「だからな」
「ああ、そうするな」
「では戦っていこう」
九内も言った、そうしてだった。
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