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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
あたしと香子は、アイドルになる
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は、まごうことなきサーヴァント。
道満と呼ばれた彼はまさに、この森川真誉の契約するそれである。

「あれ?道満何持ってるの?」

そうして帰ってきた道満が何か紙のようなものを持っていることに気付く真誉。
彼はそのまま渡すと、そこにはこう書かれていた。

「ふむふむ…一週間後にライブ開催だって!」
「騒がしい竜の娘がそれを配っておりましたので、一枚拝借致しました。」

騒がしい竜の娘とは、エリザベートのことだ。
そのライブとはまさに、あのエリザベートと葵の行うアイドル対決のこと。
そして蘆屋道満がこれを手に取り、マスターに教えた理由は共にライブを見に行く訳では無い。

「真誉殿。いかがですかな?」

道満が、にんまりと笑う。
その笑みにつられ、彼女もにんまりと笑った。

「うん。いいね。ちょうど"この子達"の使い道も考えてたとこだし。ここにしようよ。」
「ンンンンンンン流石は拙僧のマスタァ!!期待通りの返事をなさる!!」

何かをすることを決めた。
人形のファスナーから数枚の御札を取り、投げる。
それぞれ一枚がそこら中に転がる死体にぺたりと張り付くと、動かないはずのそれはビクビクと痙攣し始めた。

「面白いことをしよう。たくさんやって、滅茶苦茶にして、いっぱい殺していっぱい死んで…そうして私はもっともっと可哀想な、桜ちゃんみたいな悲劇のヒロインになれる…!ふふ、ふふふ!あはははははははは!!!!」
「ええなれますとも。真誉殿ならばこの世で最も悲劇的なヒロインになれるでしょうぞ。嗚呼、今から楽しみで仕方がない!!ンンン!ンンフフハハハハハ!!!!!!」


死体だったものが呻き声を上げながらゆらりと起き上がり、よたよたと歩き出す。
半グレ集団が拠点としていた寂れた地下のBARからは、いつまでも2人の愉快な笑い声がこだましていた。


?

「…どう?」
「いいよ。才能はある。筋も良い。音痴だって言ってたのに全然上手いじゃないか。」
「そこまでベタ褒めされると…少し照れるんだけど…。」

現在。
図書館のレッスンルームにてボイストレーニングを行うあたしと香子。
苦戦するかと思いきや、思いのほか順調に進んでいた。

「声の出し方もすぐにマスターしちゃいましたし、もしかして私達鳥獣戯画ってもう教えることないのでは?」
「シャウトもバッチリだしねー。」
「いやいや、そんなことないって。」

鳥の羽が生えた子、ミスティアが残念そうな顔をしながらそういうもあたし自身はまだまだ教えてもらいたいことはたくさんある。
しかし、

「良かったら休憩ついでにお茶しない?色々話してみたいんだあたし。」
「残念だが気持ちだけ受け取っておくよ。名残惜しいが時間切れだ。」
「え?」

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