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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
あたしと香子は、アイドルになる
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が、もうかつての面影はほとんど残っていない。
そしてここは、男達の拠点でもあった。
「おしゃれだねー。」
「あ、キミもそう思う?元々ここBARだったみたいでさ、もっと俺たち流にアレンジてみよっかなーって。」
気さくに話す男性。
しかしその優しそうな笑顔の裏側には、どす黒い欲望が渦巻いている。
「じゃ、はい。」
「?」
男が、彼女に手のひらを差し出す。
「?」
「ちげぇよ。金だよ金。」
首を傾げながら握手をしようとその手を握ると、乱暴に振り払われてしまう。
握手がしたいわけじゃない、彼らは金銭を要求していた。
「等価交換って言葉、分かる?助けてやったんだからさ。その分金払ってもらわねぇと困るんだよね。」
「そーそー。俺達慈善事業じゃねーからさ。」
周囲に座っていた男達が次々と立ち上がり、彼女にどんどん近付いて逃げ場を無くしていく。
そう、情で助けたんじゃない。
「お金、ないよ?」
「あっそ。じゃあ身体で払ってもらおっか。」
己のエゴ。欲望に従って彼女を助けた。
もとい連れ込んだのだ。
困っている女性を助けるフリをし、連れ込む。
それがこの半グレ集団のやり口だった。
これまでに何人もの罪もない女性達が犠牲となったのだが、
「はい。じゃあこれあげる。」
それも、これまでだ。
「は?」
彼女が人形のファスナーをあけ、取り出したのは御札。
男はそれを受け取るが、お金でもないし一種の気味悪さを覚えたので
「んなもんいらねぇから!」
両手で持ち、縦に破り捨てた。
するとどうだろう。
「ぶゅぎぇえ!?」
「………は?」
後ろから妙な声が聞こえたと思い振り返れば、そこには真っ二つに別れたかつて友人だったものが。
そう、
ちょうど御札を縦に裂いたのと同じ死に方であった。
「は?え?な、なにが」
頭の処理が追いつかないまま、男の頭部は胴体に別れを告げた。
黒い鞭のようなものがしなり、首を切断。
それは一本だけではない。何本も地面から現れ、周囲の男達をも切り裂いていく。
「うわぁ!!うわぁあああああああ!!!!」
数人が錯乱して出口に殺到するも、その前に真っ黒な"何か"が立ちはだかり通せんぼしてしまう。
人型のそれは腕を振るい、逃げてきた男達を片っ端から刺し殺していく。
「…終わっちゃった。」
そうして、この空間で動くものは森川真誉一人だけとなった。
「一分と持ちませんでしたな、なんと根性の無い。」
違う。
もう一人、いやもう一騎いた。
「おかえり道満。」
「ええ、ただいま帰りました。元いた場所におりませんでしたので、拙僧、ほんの少し焦りましたぞ。」
奇抜な見た目の彼
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