提督のBlackOps遍
戦闘〜救出班の場合〜
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本当に川内は教え子をどうする気なんだろう?特殊部隊っていうか、泥棒の訓練じゃないの?
そんな事を考えていたら、カチリと音がして鍵が開く。扉を開けて中に入ると、一層臭気が強くなる。けどそんな事を気にしている場合じゃない。
「どっちが担ぐ?」
「僕が担ぐよ。夕立は露払いを」
「了解。さっさと戻ろ?」
「逃がす訳無いでしょ、バッカじゃないの?」
僕達の会話に割り込む様に、馬鹿にしたような、苛立ちを隠さない声が響く。反射的に声のした方−−階段の方を見るとそこには、小銃を構えた満潮が立っていた。
「アンタ達あれよね?ブルネイ第1から来たとかっていう監査の艦娘」
「そうだよ。それでこの鎮守府の提督がここに拘束されているらしいと−−−」
「はっ、笑わせないでくれる?」
満潮はそう言って鼻で笑うと、その顔を嫌悪で歪めた。
「前線にも出ないで、鎮守府から指示を出すだけの臆病者が私達の司令官?そんな役目の奴
、こっちから棄ててやるわ!」
満潮の態度は上官に向けるそれではなく、明らかな侮蔑と嫌悪、そして殺意に溢れていた。
「やれやれ、だね」
「馬鹿もここまで来ると憐れっぽい」
だが、そんな態度の満潮を見て、溜め息を吐く夕立と時雨。夕立など、苛立ちのせいで消えていた「ぽい」という口癖が呆れたせいで戻ってきていた。
「何よ!?馬鹿にしてんじゃ−−」
満潮の言葉はそこで途切れた。夕立が鳩尾に膝を叩き込んだせいで息が詰まったのだ。
「馬鹿と会話するのは労力の無駄っぽい。そもそも、馬鹿を馬鹿にするほど暇じゃないし」
「そうだね。『提督』と『艦長』の違いも解らない様な奴に、気遣いは無用だ」
そう言って時雨は衰弱した提督を担ぎ、出口を目指す。
「さてと。帰り道も護衛は宜しくね、夕立」
「任せて。全員ボコる」
「…………程々にね」
そもそも隠密行動なんだから、見つからない様に動かないと、というツッコミは喉まで出かけたが飲み込んだ時雨であった。
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