暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる・外伝
提督のBlackOps遍
戦闘〜救出班の場合〜
[3/3]

[8]前話 [9] 最初

 本当に川内は教え子をどうする気なんだろう?特殊部隊っていうか、泥棒の訓練じゃないの?

 そんな事を考えていたら、カチリと音がして鍵が開く。扉を開けて中に入ると、一層臭気が強くなる。けどそんな事を気にしている場合じゃない。

「どっちが担ぐ?」

「僕が担ぐよ。夕立は露払いを」

「了解。さっさと戻ろ?」

「逃がす訳無いでしょ、バッカじゃないの?」

 僕達の会話に割り込む様に、馬鹿にしたような、苛立ちを隠さない声が響く。反射的に声のした方−−階段の方を見るとそこには、小銃を構えた満潮が立っていた。




「アンタ達あれよね?ブルネイ第1から来たとかっていう監査の艦娘」

「そうだよ。それでこの鎮守府の提督がここに拘束されているらしいと−−−」

「はっ、笑わせないでくれる?」

 満潮はそう言って鼻で笑うと、その顔を嫌悪で歪めた。

「前線にも出ないで、鎮守府から指示を出すだけの臆病者が私達の司令官?そんな役目の奴
、こっちから棄ててやるわ!」

 満潮の態度は上官に向けるそれではなく、明らかな侮蔑と嫌悪、そして殺意に溢れていた。

「やれやれ、だね」

「馬鹿もここまで来ると憐れっぽい」

 だが、そんな態度の満潮を見て、溜め息を吐く夕立と時雨。夕立など、苛立ちのせいで消えていた「ぽい」という口癖が呆れたせいで戻ってきていた。

「何よ!?馬鹿にしてんじゃ−−」

 満潮の言葉はそこで途切れた。夕立が鳩尾に膝を叩き込んだせいで息が詰まったのだ。

「馬鹿と会話するのは労力の無駄っぽい。そもそも、馬鹿を馬鹿にするほど暇じゃないし」

「そうだね。『提督』と『艦長』の違いも解らない様な奴に、気遣いは無用だ」

 そう言って時雨は衰弱した提督を担ぎ、出口を目指す。

「さてと。帰り道も護衛は宜しくね、夕立」

「任せて。全員ボコる」

「…………程々にね」

 そもそも隠密行動なんだから、見つからない様に動かないと、というツッコミは喉まで出かけたが飲み込んだ時雨であった。



[8]前話 [9] 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ