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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第九話 魂の総量はシュピーネ並だから仕方ない
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「チィッ!!」

アルフレートは自身の粒子を圧縮させてぶつける。

「オラオラ如何したぁーーー!!」

「ッ痛〜〜!?」

アルフレートは連続で放たれる槍と腕を防ぎ続けるも相殺しきれず少しずつダメージが蓄積していく。

はっきり言ってアルフレートの現状でのヴィルヘルムに対する相性は決して良いとは言えない。何故ならアルフレートは自らを闇という粒子に変質させることでダメージを最小限に留める。しかしヴィルヘルムの攻撃は最小単位であろうと一定の量が吸われていく為くらうべきではない。故にアルフレートは防御に回らざるをえなかった。

「いい加減に!!」

ヴィルヘルムの攻撃を受け続ける状況となり吹き飛ばされ遂に橋から吹き飛ばされ水面に落ちそうになる。
しかし、その一瞬の状況で足元の影を動かして反撃する。その影の数は十を軽く超えた。斬戟が斬突が打突が弾丸がと様々な攻撃で攻めてくる。螢ならば受けきれず吹き飛ばされただろう。ルサルカなら斬戟を回避しきれずにいただろう。しかし、

「なあ、遊びのつもりか。俺にそんな攻撃が通用するはずねえだろ」

斬戟は全て逸らされ、斬突は弾かれ、打突は当たらず回避され、弾丸はそもそも意味を為さなかった。ヴィルヘルムは自由落下をしているアルフレートを追撃するために自ら橋を飛び降り攻撃を仕掛ける。それを予想していたアルフレートはその間に闇を圧縮させて剣と成し剣戟を走らせる。

「これでッ!!」

「一々小手先に頼ってんじゃねえ―――!!」

剣を一撃で砕ききり、そのまま右腕でアルフレートを貫かんとする。その一撃を受けてたまるかとばかりに空中でありながら身を反らし、魔術で落下を加速させる。さらに気休め程度だが自身の密度を高め空気抵抗を小さくした。そして急加速したまま水中に突撃する。言っておくが今は十二月中旬の冬真っ盛りだ。

「寒っむ!?いや!寧ろ痛い!?」

そう愚痴りながらも距離を取りつつ武器(水)を構える。彼にとって水辺は戦場として向いている。自身の周囲を喰らい武器にする彼に取ってここは軽い(或いは薄い)空気よりも効果を発揮する。理想を言えば炎の中や死者の魂の彷徨う墓場などの方が効率的であるし効果的なのだがそこまで贅沢は言えないだろう。

「今のテメエの実力はさっきので把握できたんだが、それで如何にか出来ると思ってんのか?」

「いや全然、むしろ良く耐えたと思う」

そう言い合いながらも互いに剣戟を止める事は無く、圧縮し更に密度を高めた闇(水)や影(氷)で迎撃する。そんな中、現状の魂の総量で劣る上に創造すら使えないアルフレートが限界を迎えるのは当然の帰結だった。右手に構えていた薄氷の槍を叩き潰され、それと同時にヴィルヘルムの右腕がアルフレートを貫く。

「ガハッ…
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