第16話 火縄銃を我が手に
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
います。
最終的には、出来た部品を自分で組み立てる算段でいます。
日本でも火縄銃は戦術を大きく変えた武器です。
私の奥の手になるのは間違いないです。
孫策との戦までに、秘密裏に鉄砲隊を組織するつもりです。
そのため製造方法は秘匿にする必要があります。
こんなとき、李典が居てくれたらとつくづく思います。
旅に出たら必ず彼女を仲間に引き込むつもりです。
金ない、人材いないの私を悩ませているのが、砲身の部分です。
他の部品はまずまずの出来でした。
洛陽でもかなり腕の良い職人に頼んでいるのですが、上手くいきません。
この時代の技術では、鉄パイプの空洞のような均一な穴を開けるのは至難の技のようです。
お陰で、麗羽に金を無心するのが日課になりつつあります。
端から見たら、私は多分、ダメ男ですね。
今日も、日課となっている砲身を依頼している鍛冶屋に向かっています。
「親方いるかい。劉ヨウだけど空洞の空いた鉄の棒は出来ているかな」
私は後々のことを考え、砲身のことをこう呼んでいます。
「これは劉ヨウ様じゃないですか!良いところに気やしたね。依頼の品は出来ていますよ」
親方は自信ありげに私に言ってきました。
「本当かい。見せて貰ってもいいかな?」
私はまた失敗じゃないかと、思いながら親方から砲身を受け取り、品定めをしました。
・・・・・・。
「親方、上手くできているじゃないか!」
「へへ、劉ヨウ様には随分と贔屓にして貰ってます。ここらで決めねえと職人の沽券に関わりますよ。鋳造方法を少し変えてみたのが良かった見たいです」
「この出来なら問題無さそうだよ。早速帰って使わせて貰うよ!」
「しかし、劉ヨウ様はそんなものを何に使われるんです?随分、金を使わせちまって何ですけど」
親方は私が砲身を何に使うのかが気になるようです。
「これかい、これを使って絡繰りを作ろうと思ってね」
鉄砲も絡繰りの一種だと思います。
「へぇーーー。劉ヨウ様は絡繰りに興味がおありだったんですか。全然知りませんでしたよ。それで何を作られるんです」
「えーと・・・。絡繰り人形でも作ろうかなと思っているんだ」
ついとっさに嘘を言いました。
「絡繰りを作る方は変わった方が多いと聞いてましたが、劉ヨウ様も変わってらっしゃいますね」
「それは酷いな親方。まずは、こいつを試してから問題なけば依頼しようと思っているのだけど、これと同じものをもう一つ作れるかな?」
麗羽にも一丁作って上げようと思い、親方に尋ねました。
麗羽には私がダメ男ではないことを知っていて貰いたいですし、鉄砲は将来、彼女の助けになると思います。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ