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星河の覇皇
第七十九部第三章 不測の事態その十二

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「まさに」
「全てがアッラーが決めているという」
「ではだな」
「はい、このこともです」
「シャイターン主席は受け入れるか」
「あの御仁は敬虔なムスリムです」
 陰謀は使う、だが信仰はあるのだ。
「ですから」
「余計にか」
「そうかと。イスラムでは人はアッラーの前に等しく」
「そして小さいな」
「誰もが大した存在ではないのです」
 偉大であるのはアッラーのみ、これは人の驕りも戒めている教えであるとも言われているとのことだ。
「ですから」
「シャイターン主席も受け入れるか」
「若し受け入れないと」
「ムスリムでなくなる」
「あの御仁にとってそれは」
 敬虔なムスリムである彼にとってはだ。
「受け入れられないでしょう」
「そのことの方がだな」
「遥かに。ですから」
 それ故にというのだ。
「若しこのことから敗れても」
「運命としてか」
「受け入れられて」
 そのうえでというのだ。
「退かれるかと」
「そうなるか」
「ただあの方の野心は消えないかと」
 例え敗れてもとだ、八条はこうも述べた。
「ですから」
「退いてもか」
「新たな地で」
「そこで野心を満たすか」
「そうされるでしょう」
「そうなるか」
「サハラを諦めざるを得なくとも」
 それでもというのだ。
「野心は消えず」
「そのうえでか」
「新天地で建国されて」
「その主になるか」
「そうなるかと」
「では」
 ここまで聞いてだった、キロモトは八条に深慮している顔で述べた。
「連合に来るか」
「おそらくは」
 八条もこう答えた。
「エウロパとサハラは敵対関係にありますし」
「あの国に亡命することはないな」
「敗れても。ならば」
「連合かマウリアとなるが」
「マウリアは一つの国です」
 そうなるというのだ。
「ですから」
「それでだな」
「新国家の建国は」
「新たな領土の主となれてもな」
 この場合は藩王となる。
「しかしな」
「国の主にはなれません」
「それならか」
「はい、サハラを出て入る先は」
「連合か」
「そうかと」
 自分達がいるこの国ではというのだ。
「そしてです」
「新国家を建国するか」
「そうされると思います」
「シャイターン主席はそうするか」
「はい、ただこれがアッディーン大統領なら」
 彼が敗れた場合はというと。
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