051話 学園祭編 万有を齎す黄昏の剣 −メルクリウス−
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本人でさえつい意識が朦朧とするような内容だった。
『わーい!シホってすごい存在になったんだね』
イリヤがお気楽に笑っているけど、次の瞬間、
「「「「「はぁーーーッ!?」」」」」
と、普段冷静なものも含めて叫んでいた。
や、私もびっくりしているんだからそんなに睨まないで……。
「つまりだ。私との仮契約はきっかけになってしまったわけか……『贋作の王』……確かに他人のアーティファクトも登録すれば自在に操れることも可能だしな……」
「なんか、壮大すぎて頭が追い付かないわ……」
「わたしでさえそうなんだからアスナが分かるわけないじゃん!」
「シホ殿はすごいでござるな……」
「うむ。戦慄を感じるアル」
「シホさんが仲間内で本当によかったですね……恐ろしいです」
「せやな、せっちゃん……」
「さらっと私のアーティファクトも私以上に操っているのがその証拠ですね……」
「そうだね、ゆえー……」
「どこから突っ込んでいいか分からねー……」
「シホの姉さん……正直に言ってすごすぎっス」
「シホさん、すごい!!」
「シホ様、素敵です!!」
全員が各々に私に対して畏怖の視線を送ってくる。
やめて!
私はそんなすごい存在じゃないから!
『…………ですが、まだシホさんは真の担い手にはなっていません』
というシルビアさんのそんな言葉で現実に戻される。
「聞こうか」
エヴァの言葉で全員がまた聞く耳を立てる。
『先ほどシホさんが読んだ通りの内容だとしたら、わたくし、イリヤ、そしてシホさん……まだ三人分しかないのです。そしてプレートを見てもらえれば分かる通り、一か所だけ黒に染まっていてマークが浮かび上がっていません。
もうわたくしが言っている事は分かりますね……?』
「つまり……私がこの剣の真の担い手になるためには現在は封印されている私のもう一つの心であり、過去の残酷な経験から産み落とされてしまった私の闇……名無しと対面して説得し協力しないといけないわけね」
『そうなります。しかし、それは現状とても可能な状態ではありません。おそらく封印が解けたが最後、彼女はシホさんを確実に乗っ取りに来るでしょう』
それで静まり返る場……。
私の過去を知っているものなら容易ではないと思うのは当然のことで……。
「つまり、今は不完全でも現状維持が妥当な感じなのね」
『そうなりますね……ですがご安心ください。わたくし達も協力いたしますので』
『そうだよシホ。お姉ちゃんに任せて!』
「ありがとね……」
『それに、少し触った程度ですが……シホさん。プレートを回転させてみてください。あ、わたくしのは青の結晶です。イリヤさんのは紫の結晶……それを剣の先端に合わせるようにすれば魂が置き換わります』
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