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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
姉少-おねしょた-
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逃げる。頑張って逃げる。

「ここまで…来れば…。」

と、そこからもうすごく頑張って逃げたやまとくん。
運動はわりかしできた方なので長く走ることには自信がありました。
でも、

「つかれた…」
「お疲れ様。お水飲む?」
「ありがと………えっ?」

差し出されたペットボトルを受け取り、一息ついて飲もうとした時やまとくんはおや?と思いました。

「…!!!!!!!!」
「あ、蓋開けられない?お姉さんが開けよっか?」

なんと隣にいたのはあやしいお姉さんでした。

「にしてとやまとくん、ちゃんとありがとう言えるのね。えらいえらい。」

頭を撫でようとしたその手をかわし、やまとくんはまだ逃げます。
どこまでもどこまでも、
もうどこだっていいのです。
家じゃなくても、とにかくあのあやしいお姉さんのいないところならなんでもいいのでした。

けど、

「ここにかくれてよう…。」
「なに?かくれんぼ?」
「!!!!!!」

建物の間に隠れようが

「ここまでくれば…」
「お疲れ様。大変だったでしょ?」
「!!!!!!!」

屋根に登ろうが

「ここはぜったいに」
「はいみーつけた。」
「!!!!!!!!」

男子トイレの個室に身を潜めようが、あやしいお姉さんはとんでもない速さでやまとくんを発見します。
最早恐怖まで覚え始めました。

「ぜぇ…ぜぇ…。」

そうして逃げて逃げてまた逃げて…
気付けばやまとくんはどこかも分からない薄暗い路地裏まで来ていました。
さすがにここまで来れば、あのあやしいお姉さんも追っては来れないでしょう。

「…。」

これで一安心したはいいものの、そうしたらお腹がくぅと鳴りました。

「おなか、すいた。」

そういえばお昼を食べてません。あのまま逃げ出したのですから。
あちこち走り回ったのですから余計にです。
それにここは人の気配の全くしないじめじめした薄暗い路地裏。
怖くなってしまいここから早く立ち去ろうと踵を返した時でした。

「そこのキミ、どうしたのかな?」
「!!」

一瞬、びくりとしますが後ろにいたのは優しそうな大人の男性。
やまとくんはほっとします。

「た、たすけてください。へんなおねえさんに追われてるんです。」
「変なお姉さん…?」

そうしてやっと会えたマトモな人にどうして自分がそうなったかの経緯を話し、そして助けを求めます。
これでもう安心です。大人がいれば何も怖くありません。

「おれ…うちもどこかわからなくて…いきなりしらないところにいて、もうなにがなんだかわからなくって…。」
「そうか…でも安心して欲しい。我々のところに来たならもう安全だよ。さぁ、」

そう言って優
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