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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
姉少-おねしょた-
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後日談。ということなのだけれど

「せんじつはたのしかったぞ。みやもとむさし。」
(誰…?)

民宿でたっぷり身体を休めた次の日、私のところへ小さな女の子がやってきた。
下半身は蛇、そして肌の色からしてもしやと思ったけど…

「そのようなかおをするのもむりもない、よはいぶきどうじ。いまはちからをしょうひしてこのようなすがたになっている。」

私と戦った、あの伊吹童子本人だった。
私との決闘で体力を使い果たし、元に戻るための力を蓄えている途中とのこと。

ちなみに、彼女はこうして人の領域に何事もなくやって来てはいるけどもうそんな些細なことはなんの問題もない。

あれから、人と鬼との交渉が結ばれ規則はだいぶ緩くなった。
境界線はあるものの、2つの領域は自由に行き来出来るようになり、今では互いに協力したりして町の復興を目指しているそう。

結界に関しては伊吹童子の父親…いわゆる八岐大蛇が睨みを効かせているから当分は安心みたい。

で、

「おぬしのマスター、ちょうしはどうだ?」
「それがその…まだ…」

問題なのは大和くんだ。
決闘の直後、彼は倒れ、意識不明となった。
外傷はない。精神的な疲れが溜まっているのかと思ったけど、違う。

眠りについた大和くんは普通に起きた。
けど、

「大和くーん。」
「…。」
「調子はどう?どこか痛いところとかないかな?」
「…ない。」

と、お行儀よく正座している男の子に私は尋ねる。
そう、年端も行かないようなまだ幼さが残るこの少年。

彼こそ、正真正銘あの竜胆大和くんなのだ。


?

先日。

「え…?」

意識不明になった大和くんを寝かせ、今後のことを頼光様の元へ話を聞きに行って帰ってきたら、思わぬ自体になっていた。

「だ、誰…?」

大和くんが寝ていたはずの布団。
そこには、一人の少年がスヤスヤと穏やかな寝息を立てて眠っていた。

「…。」

彼が身にまとっている、明らかにサイズのあっていないぶかぶかの服。
間違いない、これは大和くんのもの。
じゃあ大和くんはどこに?この少年は誰?

と、いくつもの疑問を頭の中に浮かべているうちに

「…。」
「あ…。」

少年が目を覚ました。

「…。」
「お、おはよー。いきなりでわるいんだけど…ぼくお名前は?」
「…。」

二三ほど目をぱちくりさせ、寝ぼけ眼を擦った後、少年は驚くことを口にした。

「…やまと。」
「へ?」
「りんどう やまと。じゃあおれからもしつもん。ここはどこ?おねえさんはだれ?」
「え…?え?え?えぇ…?」

自己紹介の後、冷静に自称大和くんの少年は質問を返してくる。
彼は、少年は確かに言った。
竜胆
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