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吸血鬼になったエミヤ
050話 学園祭編 ネギとの仮契約
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玉藻の前の宝具は呪いを打ち消すほどのものなのだ。
だが、サーヴァントに身を落としたためにランクは下がり、全開では使えないためにシホの異常状態の治癒までには至らなかったという事。

「よくわからないけど……つまりこのかのアーティファクトより効果はすごいって事?」
「まぁそこらだけでも理解してもらえていれば上出来だな」

エヴァにこけおろされている事にもアスナは気にした素振りも見せずにただシホのことを心配そうに見つめるだけだった。

「それじゃ、シホはどうなるの……?このままだと悪化もするかもしれないんでしょ……?」
「そうだな」
「そうだなって……そんな呑気な!」
「手はあるんだ」
「ウチ以外の手があるん……?」
「ああ。ぼーやだ」
「ネギ……?」

それでエヴァはネギを話題に出しながらも、シホの精神世界での話を二人に聞かせていく。
イリヤやもう一人のアインツベルン、そして例の名無しの吸血鬼もその場にいたことなど……。

「イリヤって……シホ達と一緒に遊んでいた子供の事……?」
「いや、シホの元の世界の義理の姉に当たる人物だ。いろいろ事情があってな。今はシホの中に魂が一緒に存在しているんだ」
「一緒にって……そんなことありえるの?」
「私だってそういう例は初めて見るんだ。だから詳しい事は分からん。ただ、ぼーやとの仮契約をするタイミングで一緒に外に出れるように飛び出す準備が……この部屋の魔法陣なんだよ」

それで部屋中の魔法陣を見せながらそう話すエヴァ。

「よーわからんけど、そのイリヤさんって人が表に出てこれるようになったらシホはどうにかなるん?」
「いや、肝心なのはもう一人のアインツベルンと言う存在の方なのだ。精神世界で少し話をしたが、なんでも創造をする魔法が使えるらしくてな。その権限の一部を使用してシホの魂にこびり付いている悪魔の残滓を吹き飛ばす計画らしい」

そこまで聞いて、アスナ達はネギがくるまで待つしかないって事になったので、

「なんか、ふて寝するつもりで来たんだけど、どうにもそんな状況じゃないわよね、このか……?」
「そうやね。高畑先生に失恋したんは今は棚上げやな」
「思い出させないで!!」

それを聞いていたエヴァはアスナの滑稽な姿で一通り笑った後に、

「クククッ……ふぅ、それじゃシホの看病は頼んだぞ。私は一回外に出てくるのでな。なに、すぐに戻ってくる」
「わかった。任せてエヴァちゃん」
「シホの看病を見るへ!」









それから何日か経った(外の時間ではニ、三時間だが)あとに、一回出ていったエヴァが戻ってきた後にようやくネギ達が別荘の中に入ってきたという話を受けて、

「シホ……ネギが来たからもうすぐ苦しみから解放されるからね?」
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