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おっちょこちょいのかよちゃん
177 少年を連れて行った者
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を妲己の元へ持って行き、渡した。
「これで楽しめるであろう」
「ありがとうございます。では失礼」
 妲己は去って行った。
(あの女の所に動けばな・・・)

 かよ子は東アジア反日武装戦線の組織「さそり」との戦いでまた疲弊してしまっていた。
(それにしてもあのレーニンって声・・・)
 かよ子はその声の主が夢の中で出てきた人物の声と同じであると既に確信している。もしあの夢が正夢だとしたら・・・。
(杉山君は赤軍達と協力してる・・・!?)
 かよ子はそうとしか考えられなかった。
「それにしても確かに藤木は長山の眼鏡で見せて貰った通り、今の生活に満足してるかもしれねえな」
 大野は推測した。
「確かにのお、儂もまる子とゆっくり温泉に入りたいもんじゃ!」
 友蔵は呑気に言った。
「だが、どうにせよ、その藤木君という少年は自分が人質になっている事や政府との取引の道具として利用されている事に気付いていないと考えられるな」
 椎名もそう推測する。
「でも、やっぱり、藤木君に本当の事伝えないと、駄目だよね?」
 かよ子は聞く。
「ああ、そうだな」
「私はそれでも藤木君を連れ帰さないとって思うんだ。さっきはおっちょこちょいしちゃったけど、藤木君が嫌だって言っても藤木君の言う事をあっさり聞き受けるなんておっちょこちょいはしたくない・・・!!」
「オイラも同じだブー!」
「アタシもだよ!あの逃げてばっかの卑怯者をガツンと言わせてやんなきゃね!」
「おお、まる子、カッコいいぞい!」
 友蔵が孫を褒める。
「えっへん!」
 まる子も褒められて少しいい気になっていた。だが、かよ子は藤木の事と同時にもう一つ自分の好きな男子の事が頭に浮かぶのだった。

 エルデナンドとピサロは杯を奪いに赤軍の人間と共に向かう。
「だが、女のガキも連れと共に動いているのが厄介だ。それに神を使う奴だから別の奴も連れて行きたかったんだがな・・・」
 山田義昭は本心では聖母マリアを召喚できる岡本公三も加えればアイヌの神とやらを扱う女と互角に戦えるはずなのだが、生憎岡本は別の仕事に回っている為、呼び寄せる事はできなかったのである。

 こちらは領土攻撃班の一員である杯の所有者の部隊。安藤りえ達は杉山さとしを追う為に進む。今は戦争主義の世界に占領された平原に来ていた。
(杉山君、あんた、赤軍に殺されたいの・・・?ホント、バカねっ!!)
 その時、銃弾が大量に飛んできた。
「何だ!?」
 幸い、ありや悠一達の武装の能力(ちから)が働いた為、まともに喰らう事はなかった。
「いい餌がお出ましだな」
「あの女のガキ、杯を持ってるぞ!」
 りえ達は顔を上げた。
「どれどれ・・・」
 軍の長ともいえる人物が顔を出した。頭は少し禿げており、ロシア人のよ
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