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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第106話:手向けのお節介
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庫へと飛んでいく。まるでバビロニアの宝物庫がソロモンの杖を引き寄せているかのようだ。
「もう響が、誰もが戦わなくていいような……世界にぃぃぃぃぃぃっ!!」
そしてソロモンの杖が突入すると同時に、バビロニアの宝物庫が閉じた。直後、臨界点に達したネフィリムが一兆度の熱量を放出しながら爆発した。颯人達には知る由もないが、その爆発によりバビロニアの宝物庫の内部に居たノイズは根こそぎ焼き払われた。
これによって今後、世界がノイズの脅威に晒される事は無くなったのである。颯人達は二重の意味で世界を救ったのだ。
だが颯人達にそれを喜ぶ余裕はなかった。
今はとにかく、疲れた。
***
その後、夕日に照らされるフロンティアの上にまだ颯人達は居た。
エネルギーを根こそぎネフィリムに吸い取られたフロンティアは海に着水し、自衛隊やマスコミが上陸している。
その事後処理の様子を、颯人が奏と共に遠巻きに見ていた。響を始めとした他の装者や魔法使い達は、ここから少し離れた所に居る。
「…………お」
ぼんやりと事後処理の様子を眺めていた颯人の目が、連行されるウェル博士の姿を捉えた。
ウェル博士は明らかに意気消沈した様子だ。無理もない。今回の騒動で彼は徹底徹尾利用された形になるのだ。間違った形ではあるが英雄になる事を目指し、ひた向きに進んできたその活躍を横からジェネシスに掻っ攫われ、最後にはワイズマンの操り人形としてネフィリムを使い潰された。自分のやってきた行動が全て妨害ではなく利用と言う形で第3者の手により崩されたのだ。
流石に堪えたのだろう。
そんなウェル博士に颯人は近付いていった。
「よっ、博士。景気悪い顔してんなぁ?」
「…………何の用ですか? 体のいい傀儡だった僕を、笑いにでも来たんですか?」
「あ〜ぁ、完全にへそ曲げてるよ。どうする颯人?」
今までの様子が見る影もないほどやさぐれた様子のウェル博士に、奏は少し意外そうな顔をした。彼ほど英雄となる事に拘り続けた男なら、死んで英雄として語り継がれる事を頼みの綱にでもするかと思ったのにそれすらしないのだから。
「……安っぽい理想だなぁ」
「何ですって?」
そのウェル博士に対する、颯人がとった行動は挑発だった。
「安いって言ったんだよ。あれだけ英雄英雄って豪語してた奴が、ちょっと失敗しただけで簡単に折れてさ。こんな奴に散々振り回されてたかと思うと逆に情けなくて仕方ねえよ」
それは挑発としてはとても安いものだった。学生同士がやるような、目に見えて相手の痛い所を雑に突く陳腐な挑発。
だがウェル博士はそれに食い付いた。元より知能はともかく、精神的には英雄と言う子供っぽいもの
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