暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第106話:手向けのお節介
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らに走ってくる人影があった。懸命に足り寄ってくる、その相手の正体は響が誰よりも信頼しているあの少女――――

「未来!」
「響ぃっ!」

 駆け寄ってくる未来。状況は見たままにしか理解できないが、それでも今自分が何をすべきなのか、何が出来るのかは直感で分かるらしい。迷う事なく真っ直ぐソロモンの杖へと駆けていく。

 だが悲しいかな、メデューサと比べてスタート地点が絶望的に離れ過ぎている。どう頑張っても未来が辿り着くよりもメデューサがソロモンの杖を手に取る方が早い。

 その状況に、颯人がいち早く立ち上がった。もう体が限界なのを、気合で堪えて立ち上がったのだ。

「あぁぁぁぁぁぁぁぁっ! 野郎共気合入れろぉぉっ!! ここが男の見せ所だぁぁっ!!」

 とは言え自分1人では不安が残る。故に颯人は、この場に居る同じ魔法使いにして男である透とガルドに発破を掛けた。ここで気張らねば男ではないと、らしくなく熱い声を上げた。

「くっ、ぬあぁぁぁぁぁっ!」
「!!!!」

 颯人の檄に触発され、透とガルドも立ち上がった。互いに相手の腕を掴み、引っ張り合う事で互いの体を引き揚げる。

〈〈チョーイイネ! キックストライク、サイコー!〉〉
〈イエス! キックストライク! アンダスタンドゥ?〉

 立ち上がった魔法使いの3人は同時にキックストライクを発動するち、颯人はコートの裾を翻し、透はクラウチングスタートの体勢を取り、ガルドはその場に膝をついて地面を叩く。

「「ハァッ!!」」

 そして3人は同時に飛び蹴りを繰り出す。各々右足に魔力を溜め、それをメデューサに叩き込む。メデューサはソロモンの杖に意識を集中していた事と、そもそも体が既にボロボロなのもあって回避は不可能だった。

「――ハッ!?」
「「ハァァァァァッ!!」」

 放たれた3つの飛び蹴りが同時にメデューサに直撃し、ソロモンの杖を飛び越えてフロンティアの外へと蹴り飛ばされていく。

「うあぁぁぁぁぁぁぁっ!? おのれぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」

 フロンティアの外に蹴り飛ばされたメデューサは断末魔の叫びをあげながら爆散した。
 これで未来の障害となるものは存在しない。

 一方バビロニアの宝物庫の中では、もう今正にネフィリムが臨界点に達し爆発する寸前となっていた。もう時間はない。

「未来ちゃん! その杖あの中に放り投げて!!」
「はいっ!」

 言われるままに未来はソロモンの杖を拾いあげ、バビロニアの宝物庫へ向けて投擲する。あの位置からではどう考えても届かないだろう距離だが、未来は全力で投擲した。

「お願い、閉じてぇぇぇぇぇっ!」

 投擲されたソロモンの杖は信じられない事に放物線を描く事なく真っ直ぐバビロニアの宝物
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