第六百三十八話 酒が進むその四
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「問題はない、真剣にイスラムを信仰していると」
「それなら」
「贅沢をしても独裁者でもな」
「いいのね」
「だからサダム=フセインも地獄に落ちたか」
二十世紀後半から二十一世紀初頭のイラクの独裁者である、生きていた頃は世界でも屈指の悪人とされていた。
「そう言われるとな」
「難しいのね」
「彼がイスラムの戒律を守り」
そしてというのだ。
「熱心に信仰していたらな」
「それでなのね」
「天国に行けるからな」
イスラムの教えはそうであるからだというのだ。
「それでだ」
「地獄に落ちていたか」
「それはな」
この考えはというのだ。
「難しい」
「そうなのね」
「そして贅沢をしてもな」
「それもいいのね」
「享楽を楽しんで何が悪いか」
人がというのだ。
「コーランを信じていれば」
「教えを守っていたら」
「そして喜捨をすればな」
それでというのだ。
「いい、極端な禁欲はな」
「イスラムにはないのね」
「そうだ、だから当時のイスラム世界も」
バグダート等のそこでというのだ。
「繁栄と発展と贅沢を謳歌している中でな」
「そうしたものも食べていたかも知れないのね」
「酒は間違いなく飲んでいたしな」
これはというのだ。
「そう考えるとな」
「そうなるのね」
「イスラムで大事なものは」
それは何かというと。
「信仰だ」
「それに尽きるのね」
「何といってもな」
「それを守っていれば」
「後はいい、まあラマダンはな」
この時はというと。
「今はあまりな」
「連合じゃお昼にお外で食べない位ね」
「さもないと仕事に支障が出るからな」
「そうよね」
「サハラではラマダン中は戦争もしないが」
この時は事実上の休戦期間になる、千年の間戦乱が絶えない日はなかったがそれでもラマダン中は別だったのだ。
「しかしな」
「連合だとね」
「仕事があってな」
「それはね」
仕事はというのだ。
「勉強もだけれど」
「止める訳にはいかないからな」
「だからラマダン中でもなのね」
「働かくてはいけない」
「そうよね」
「連合は忙しい」
「もうそれこそね」
アンは腿肉と葱のタレの焼き鳥を食べつつ話した。
「発展し続ける国だから」
「常にな」
「だからね」
それでというのだ。
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