TURN49 騎士と海賊その四
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「殆どの者が植民地の貴族の様に」
「腐敗していたのですか」
「ああして横暴と腐敗を極めていました」
それが現実だというのだ。
「実際にはです」
「そうだったのですか」
「武士道は違う様ですが」
ネルソンや日本に山下、それに東郷も見て言う。
「貴方達の場合は」
「いえ、それは」
「私はそうは思いません。特に山下元帥ですね」
「私か」
「見事な武人です。エイリスにここまでの方はおられません」
そこまでだというのだ。山下の武士道は。
「武士道もまた理想ですね」
「そうだな。確かに理想だ」
「しかしその理想があるからこそ」
それ故にだというのだ。
「人は高みを目指すことができます」
「そしてそれはですか」
「国家も同じでしょう」
国家同士のつながりもだというのだ。
「だからこそです。一度です」
「帝を会われますか」
「その理想が建前の可能性もあります」
国家元首がどう考えているかでそれも変わるというのだ。
「ですから」
「それではですか」
「一度お会いしたいです」
ネルソンはまた言った。
「そしてお話を聞きたいです」
「では」
こうした話をしてだった。ネルソンは東郷達と共に帝のいる御所、完全に和風のそこに入った。しかしだった。
いきなり眼鏡をかけたメイドに会ってだ。こう言われたのだった。
「貴方がネルソン提督ですね」
「そうですが」
そのメイドが放つオーラに何とか負けまいとしての返事だった。
「貴女は一体」
「私は帝の侍従長のハルでございます」
「ハルさんですか」
「以後お見知りおきをただ」
「ただとは」
「くれぐれも帝に失礼のないようにお願いします」
こう言ってきたのだ。ネルソンに対して威圧感を放ちながら。
「宜しくお願いします」
「わかりました。それでは」
「エイリスの騎士提督とのことなので失礼はないと思いますが」
ハルは言いながら東郷をちらりと見た。そして言う言葉は。
「海軍長官の様なことは何があろうともです」
「決してですか」
「はい、そうです」
ハルは東郷を睨みながら言う。
「くれぐれも粗相のない様に」
「承知しております。それでは」
こうした応対が行なわれた。しかしだった。
ネルソンは忠告をしてから去るハルの後姿を見送ってからこう日本達に小声で問うた。完全に和風だがそこだけ欧風の彼女を見て。
「あの方はまさか」
「ハルさんですね」
「恐ろしい方なのでは」
「はい、確かに」
日本は否定しなかった。
「帝への絶対の忠誠心を持った方です」
「絶対ですか」
「微塵も揺らがないまでに」
それがハルの忠義だというのだ。
「そうした方なので」
「だからこそですか」
「帝の御前での不埒な行いは誰であろうと
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