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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
紅雷-おもい-
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で屠れる。楽しみを長引かせ何が悪い?」
「そう。」

あれだけのことをして、伊吹童子は本気ではなかった。
さらにそのことを、武蔵はとうに見抜いていたんだ。

「しかしじつに面白かった。大剣豪…宮本武蔵。しかと覚えたぞ。」

そういい、彼女はまた頭をがくりと下げ、動かなくなった。

「私は割と本気でやっちゃったけど…死ぬとかない…はずよね?」
「安心しろ。少し休むだけだ。」

受けた傷はとうに塞がっている。
伊吹童子はゆっくりと立ち上がると、ふらつきながらもマスターの元へと戻って行った。

「…。」

そうして、武蔵も俺の方へ振り返る。
血塗れでボロボロな身体からの、屈託のない笑顔のピースサイン。
強者との勝負に勝った。
それこそが彼女のなによりのご褒美であった。
俺もまた、勝った武蔵になにか言葉をかけるため歩こうとした。

その時だ。

「…?」

足が、動かない。
一歩踏み出した足がふらつき、バランスを崩して前へ倒れ込む。
スローモーションになる世界、慌てた様子でこちらに走ってくる武蔵。

「大和くん!?」
「旅人さん!?」
「一体何が…!?ともかく救護を!支給医務室へ!!」

と、色んな声がまるで遠くから聞こえるような感じがする。
ぐにゃりと歪む視界。
それはやがて暗転し、俺はそこで意識を手放した。


?

同時刻

「〜??」

一方その頃。
京都から逃げ、近場の森で花歌を歌いながらスキップしているのはあの蘆屋道満のマスター、森川 真誉だった。

京都を大混乱に陥れ、多くの犠牲者を出し、そして鬼と人とを争わせる。
と、未遂ではあるもののそれだけの凶悪な計画を企てておきながら彼女は罪悪感の一欠片もなく、次はどこへ行こうかと考えていた。

「ひどくご機嫌ではありませぬか、真誉殿。」
「うーん。次はどこ行こっかなーって。ここはずーっと遠くの東京?それとも神奈川かな?」
「ふむ、どういたしましょうか…。拙僧も迷いに迷っておりまする…。」

ここではもう噂が知れ渡り、悪い意味で有名人なので思い切り遠くへ行こう。
2人が何をするのかは知らないが、まるで旅行先でも決めるかのように歩きながら笑顔で話し合っていた。

「神奈川と言えば三笠孤児院はどうですかな?そこの身寄りのない子らを惨殺すればきっと真誉殿は悲劇のヒロインになれましょうぞ。」
「あ、いいねぇ!じゃあ神奈川行こうよ神奈川!三笠って言うと…戦艦なら横須賀だよね!あ!軍艦カレーとか食べてみたいんだよねわたし!」
「ンンン…このご時世、果たしてカレー屋はやっておられるのでしょうかな?」

「オイ、待てコラ。」

と、仲良く話し合う2人の前に、邪魔者が現れた。

「おや、あなた方
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