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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
紅雷-おもい-
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雷は、俺の思い。
勝って欲しいという思いと、強くあれという思いが合わさってできた雷。
俺は、あの雷に思いと魔力を乗せて譲渡したんだ。

「それに!私は竜胆大和くんの宮本武蔵!!カミサマ程度に負けるなんて…それこそあってはならない事ッ!!」

またもや吹っ飛ばされるも、武蔵は空中で姿勢を整え、背後の壁を蹴ってとんでもないスピードで伊吹童子めがけ突っ込む。
そして、

「!!」

斬った。

いや、叩き折った。
伊吹童子の剣を、真正面からぶつかり合い見事に叩ききったのだ。
彼女もまさかという顔をしている。
そして、

「く…!!」

突く。
渾身の力を込めた突き。
それを胸部にくらった伊吹童子は大きく吹っ飛んだ。
それだけじゃない

「まだまだぁ!!!」

駆ける。
相手が吹き飛ぶ速度よりも速く、もっと速く。
ただ吹き飛ばされているだけの無防備な身体に、武蔵は次々と二刀流の連撃を叩き込んでいった。

「これで…最後!!」

斬る。
振りかぶり、渾身の力を込めて思い知り振り下ろすシンプルな攻撃。
全身から血飛沫を迸らせ、伊吹童子はトドメの一撃をくらい、壁に思い切り叩きつけられた。

「…!!」

人も、鬼も、サーヴァントも、
その光景に誰もが己の目を疑い、目の前の光景を怪しんだ。

「嘘だろ…伊吹童子様が…!」
「おい…マジかよ。」
「あのサーヴァント…マジでヤッちまったのか…?」

壁に磔にされたかのごとく、がっくりと頭を項垂れそこから動かない"カミ"
彼女の目の前にいるのはそう、同じくボロボロになりながらも、しっかりと2本の足でそこに立っている大剣豪。

そう、
サーヴァントではあるが、
人が、神を倒したのだ。

「しょ、勝負あり!!」

と、少しその光景に魅入っていた頼光が慌てて手を上げ、決闘の終焉を告げる。

「勝者!セイバー宮本武蔵!!」
「…。」

自分でも分かる。
頬が緩み、口元には笑顔が浮かんでいる。
自分のサーヴァントが強敵に勝てたんだ。
少しくらいは笑ってたって誰も文句は言わないだろう。

「負けた…伊吹が…?」

対照的に隣にいるマスターは、とんでもない顔をしているが。

「…。」
「ねぇ、カミサマ。」

通り雨だったのだろうか、あれだけの土砂降りは弱まり、雲の切れ間から日が差し込み始めていた。
まるで勝利を祝福しているような感じだが、何やら武蔵はまだ終わっていない様子。
刀をおさめ、ピクリともしない伊吹童子に話しかけた。

「手加減、した?」
「ふふ、そうさな…。」

武蔵の放った言葉に対し、伊吹童子はかわいた笑い声で返し、ゆっくりと顔を上げた。

「余が本気を出せば、貴様程度一瞬
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