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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
紅雷-おもい-
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だ。

「…!!」

刹那、いやそれよりも短いか。
ほんの一瞬で、伊吹童子の手から武蔵が消えた。
落雷の際、僅かに力が緩んだが抜け出せるほどのものでは無い。
しかし武蔵は抜け、そしてどこかへと消えた。
いや、消えてはいない。

「そこか…!」

振り向き、何も無い場所目掛け伊吹童子は手刀を突く。
火花が散り、そこにいたのはやはり武蔵。
しかし、何かが違う。

「それは なんだ? 貴様のマスターは、何者だ?」
「さぁね!私にも全く分からない!!けどね…!」

受け止めた爪を弾き、さらに一閃。すれ違いざまに胴を斬る。

「…!」
「力が溢れる。身体が軽い…!今ならカミサマさえ斬れる気分よ!!」

後ろ髪をまとめていた髪飾りがとれ、舞う銀髪。
そこから覗いた彼女の双眸は俺と同じように、紅く輝いていた。

「なんだよあれ…!」
「マスターがやったのか?反則じゃないのか?」

鬼の領域の者達が皆口々にそう言い始める。

「おい!一対一の真剣勝負じゃねぇのか!!」
「何してやがんだ!!八つ裂きにされてぇのかテメェ!!」

俺めがけ飛んでくる罵詈雑言。
しかし、

「だ ま れ 」
「…!!」

伊吹童子の一言で、それは一瞬にして静まり返った。

「余は、今とても満ち足りている。野次を飛ばすな。気分を害するな。貴様らが八つ裂きにされたいか。」
「す、すいません…。」
「分かれば よい…。」

そして武蔵の方へ向き直る。

「おもしろい まだ、足りぬ もっと魅せろ。じつに、じつにゆかい。」
「…。」

土砂降りの中、睨み合う2人。

「それじゃあ…お望み通り!!」

斬る。
伊吹童子の剣がぶつかり合い、火花を散らして衝撃波かま生まれる。
凄まじい力と凄まじい力がぶつかり合い、ビリビリと空気が震えるのを割と離れたここからでも感じる。
雨が降っているから視覚的にも分かりやすい。
2人が打ち合う度、周囲の雨が弾けて消えるのだ。

「それはなんだ?その力はなんだ?どこから来た?どうやった?答えよ大剣豪。」
「分からない!けど確かなことは…雷に撃たれてから思いが伝わった!!」

脊髄の様な剣を受け止め、鍔迫り合いに持ち込んだ武蔵。
先程までと違うところといえば、徐々に武蔵が力で押しているということ。

「"勝て"って思いがね!!そうしたら身体の至る所から力が溢れてくるわ、何にでも勝てそうな勇気が湧いてくるわでもういてもたってもいられないってワケ!!」
「思い…か。」

身体が勝手にやって、赤い雷が落ちて武蔵がパワーアップした。
そして武蔵は、『勝てという思いが伝わった』と言った。
つまりだ。

これはあくまで推測に過ぎないが…あの紅い
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