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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
紅雷-おもい-
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はっ!」

一気に持ち上げられ、思い切りたたきつけられる。
背中を強打し、肺の中の空気を無理矢理吐き出される。

「く…っ、はな、せ…!」
「離せと言われ、離す愚か者がどこにいる?」

もがいて抵抗するも、それはまるで無力。
ありえない力で首を絞め挙げられ、じりじりとゆっくり上へと持っていかれる武蔵。
サーヴァントが窒息死するかは知らない。
だが、危ないのは確かだ。

「僅かだが楽しかった。しかし、余興もここで終わりにしよう。」
「まだ…終わって」
「ほう…足掻くか。」

しかしその目にはまだ闘志が宿っている。
締め上げられた程度で武蔵は戦意喪失なんてしない。
刀を握るその手を持ち上げ、伊吹童子の腕を斬ろうとするも

「無駄だ。諦めよ大剣豪。そなたの負けだ。」

刃は、通らない。
ガキンという凡そ肌からは出ない音を立て、武蔵の足掻きは無駄に終わる。

「…。」

このままでいいのか?そう言われれば俺は納得できないと答えるだろう。
武蔵が負けるのは嫌だ。言うなればそれはワガママだが、俺は勝って欲しい。
竜胆大和の持つ宮本武蔵として、カミに勝って欲しい。
けどこの状況からどう勝てと言うのか、それは難しい話だ。

「…?」

その時だ。
まるで提案があるぞとでも伝えるように、右手にバチリと電流が走る。
迸る紅い雷。突然漲る力。
なんだこれは?俺に、何をしろと言っているんだ?

「…?」
「おい、まさか加勢するつもりじゃないだろうな?」

気が付けば、すらりと刀を抜いていた。
吉良は突然の行動に頼光と共に首を傾げ、伊吹童子のマスターはそれはご法度だと警告する。
しかし、安心して欲しい。

「ただのサポートだ。」
「サポート?」
「サーヴァントが戦いやすいよう援護するのも、マスターとしての役目だろう?」

身体が最初から理解している。
どうすれば、武蔵がカミに勝てるのか。
その為にマスターである俺は何をすればいいのか、
身体が動く。刀を持った手がゆっくりと上に持ち上がる。

「勝て、武蔵。お前はただの宮本武蔵じゃない。竜胆大和の宮本武蔵だろう!」

雷鳴が激しく鳴り響き、俺は刀を振り下ろした。
その刀の直線上には武蔵。
そしてそれと同時に、雷雲から紅い雷が落ちた。

「!!」

雷が落ちた先には、伊吹童子。
いや違う。その紅い雷は武蔵めがけて落っこちた。
落雷を直にくらえば例えサーヴァントとはいえひとたまりもないだろう。
しかし、

「旅人さん…!?」
「言っただろ。これは攻撃じゃない。援護だ。」

あれはただの雷ではない。
身体が教えてくれる。あれは…。

「押し返せ、武蔵…!!」

武蔵を強くする。勝利へと導く雷
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