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ヘタリア大帝国
TURN49 騎士と海賊その三
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「日本が行なっている対等な国同士での経済圏はです」
「成り立ちませんか」
「各国がそれぞれ好きなことを言うだけです」
「実際に各国で意見の相違もあります」
「特に今度ガメリカや中帝国を入れればどうなるか」
 ネルソンはその可能性は殆どないと思いながらこの仮定を話した。
「日本が勝ち」
「あの二国はどちらにしても太平洋経済圏に欠かせません」
「そうですね。あの二大国が入らなければ」
「本当の意味での太平洋経済圏ではありません」
「しかしあの二国の我はあまりにも強いです」
 エイリス人であるネルソンから見てそれは忌々しい、目に余る程だった。彼等は本音、しかもあからさまに見せているそれはエイリスを世界帝国から引き摺り下ろそうとするものに他ならないからだ。
「彼等の意見も聞かれるのですか」
「はい、勿論です」
 日本はネルソンの問いにはっきりと答えた。
「その場合もです」
「それでは経済圏は停滞します」
 ネルソンもまたはっきりと言った。
「そうならない筈がありません」
「ガメリカと中帝国により、ですね」
「彼等は何としても我を通そうとします」
 こうも言うネルソンだった。
「それならばです」
「確かにあの方々は我を通されようとされるでしょう」
 日本もわかっていた。伊達にこれまであの二国と付き合ってきた訳ではない。
「しかしです」
「それでもですか」
「あの方々も参加してもらってです」
 そしてだというのだ。
「共にやっていくべきなのです」
「本当に理想ですね」
 ネルソンはこの場ではこの言葉は否定として扱う。肯定は現実だった。
「あの二国は違うというのに」
「ですが対策も考えていますので」
「現実もですか」
「はい、それもまた」
 考えているというのだ。それもまた。
「全ての国がおられます。私達三人だけでなく」
「その全ての国で話をすればですか」
「時として合従連衡にもなるでしょう」
 経済圏の中でそうなることも頭の中に入れていた。
「しかしそれでも話し合っていってです」
「経済圏を動かしていきますか」
「そのつもりです」
「既にインドが入っています」
 ネルソンはこの国の名前も出した。
「主要な、指導的な国は四国ですね」
「そうなるというのですね」
「日米中印です」
 やはりこの四国だった。確かにこの四国は太平洋経済圏の中で他の国と比べて国力が隔絶としていた。
「その四国だけでなくですか」
「各国でお話をしてです」
 日本がリーダーだとしても君臨することなく、言うならば議長として話をしていくというのだ。
「そうしていきます」
「各国の会議の場を設けてその都度ですか」
「進めていくつもりです」
「確かに理想でしかありません。ですが」
「ですが?」

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