第四幕その六
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「本当にね」
「そうかな」
「うん、穏やかで澄み切ったね」
そうしたというのです。
「いい人相になっているよ」
「そうなんだね」
「君の以前の人相は私も見たことがあるよ」
「ノーム王だった時かな」
「そう、その後の悪巧みばかりしていたね」
その頃のというのです。
「人相を知っているけれど」
「随分悪かったんだね」
「そうだったよ、けれどね」
それがというのです。
「今の君はね」
「いい顔になっているんだ」
「そうなっているよ」
「では今のわしは凄くいい人生を送っているのかな」
「いいことをしてね」
そうしてというのです。
「そうだと思うよ」
「それはいいね、やっぱりね」
「人相がいいとだね」
「それならね」
カエルマンに笑顔で言いました。
「それに越したことはないね」
「わしもそう思うよ」
「生き方は顔に出る」
カエルマンはこうも言いました。
「人の顔の出来不出来じゃないんだ」
「大事なのはだね」
「そう、大事なのは人相でね」
「奇麗か不細工かではないね」
「そんなものはどうでもなるよ」
カエルマンはそうしたことについては一蹴しました。
「それこそね、大事なのはね」
「生き方で」
「そう、その生き方がね」
「顔にも出るね」
「それで人相がどうか」
それがというのです。
「問題だよ」
「そしてわしはだね」
「奇麗な心になって」
そうしてというのです。
「考えることはいつもよくて行いもね」
「よくなったから」
「そう、そしてね」
それでというのです。
「君は今とてもいい相をしているんだ」
「本当にとてもいいお顔になったわ」
トロットも言ってきました。
「貴方は」
「そうなんだね」
「ええ、まるで別人みたいよ」
コーラを飲みながら言いました。
「以前とはね」
「それは何よりだよ、以前のわしを思うと」
「悪い心に支配されていた時ね」
「悪いことばかり考えて」
「悪いことばかりしていて」
「碌でもなかったよ」
そうだったというのです。
「本当にね」
「けれどね」
「うん、奇麗な心になって」
そうしてというのです。
「よい行いをしていると」
「幸せね」
「そうなったよ、一度忘れたから以前のわしのことを聞くと」
そうしてです、前ノーム王は以前の自分自身を知ったのです。一体どんな人だったのか」
「とてもね」
「酷いことばかりしていて」
「考えて行ってね、反省することしきりだったよ」
トロットに反省に満ちたお顔でお話しました。
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